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2008年1月28日月曜日

実体のない管理職について

 本日、東京地裁にて日本マクドナルド社が敗訴しました。訴訟はマクドナルドの現在も店長を務めるある従業員によって起こされ、賠償金は確か、750万円くらいだったかな。

 訴訟内容は最近になって偽装請負と共に明らかになってきた、実態のない管理職という奴です。これは、実際には管理職とは呼べない下っ端であるにも関わらず、従業員を管理職に無理やり祭り上げることによって、残業代などをカットするのが目的で、表に出ていないだけで外食チェーンなどでは現在、ほとんど一般化しているとも言われています。
 実はこのような裁判はこれが初めてでなく、確か去年に紳士服の青山も同様に自分のところの店長に訴えられ、未払いの残業代などを払う事、従業員を管理職に無理やり上げる事をやめるということで和解に至った例があります。

 近年、就職状況はよくなり、少なくとも大学新卒については正社員比率が上がっているとも言われていますが、その一方でこれまで以上に残業代のいらない中間管理職の仕事の比重が高まっているとも聞きます。私の友人のいる企業でも、彼の同期が入った職場では社員の半分が管理職で、もちろんそんなんだから、中には部下が一人もいなくて権限も何もない社員もゴロゴロいるそうです。
 以前に政府が提唱した「ホワイトカラーエグゼンプション」という制度は仕事を自己管理させるという名の元に、残業代を無理やりカットする法律だと反対が起こり、廃止に追い込まれた経緯がありますが、うちの親父に至っては、なにも今更法制化しなくとも、どこの企業でも既にやっていると言っていましたが、まさにその通りだと思います。むしろ、名ばかりの管理職にされて、本来受け取るべき対価を受け取っていない従業員が蔓延しているのが現状でしょう。そういった従業員を保護する法律こそ今、最も必要とされているのではないでしょう。

 ホワイトカラーエグゼンプションについて、少し補足しておきます。
 私見ですが、これが前回の安倍内閣が破綻した最大原因でないかと、今になって思います。もしこれさえなければ、いくらとんちんかんなことばかりやっていても、官僚との対決姿勢をだせばまだ国民はいくらか支持したのではないでしょうか。しかしこんなの言い出しちゃったばかりに、国民は一気に安倍元首相から離れてしまい、二度とその支持は戻らなかったのだと思います。

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