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2008年8月17日日曜日

太陽電池とは~その二、種類~

 昨日に引き続き太陽電池についてです。前回は一番ややこしい原理をわんこそばに無理やりたとえて説明しましたが、今回も昨日ほどではないにしろ、すこしややこしい構造の部分です。現段階で言うのもなんですけど、本当に書きたいのは何故今太陽電池がよく話題に上るのか、そういった社会的な面を書きたいのですがいきなり書いても仕方ないですしね。

 それで種類なのですが、一口に太陽電池と言ってもいくつか系統に分かれています。種類分けの目安となるのは主に原材料で、まず大まかに分けて、

1、シリコン系
2、化合物系
3、有機系

 以上の三つに分かれます。一般に言われている太陽電池というのはまず間違いなくシリコン系を指しているので、本解説ではシリコン系に限って解説します。なお、三番目の有機系に属する「色素増感太陽電池」というのは見ていてなかなか面白いので、別の回にて説明します。

 それでシリコン系ですが、これはその名の通りにシリコンを原材料にします。シリコンというと私はちょっと前まで女性の豊胸手術や顔面整形の頬に入れるだけの物質かと思っていましたが、最近になって多方面に使用されているということがよくわかってきました。いくつか例を挙げると、一部のプラスチック製品や金属の金型、そして今回の太陽電池のように半導体材料として使われています。

 恐らく、このシリコンは半導体材料として使われる量が最も多い材料でしょう。加工が容易で手に入りやすく、その上半導体の材料となれる電子を通したり通さなかったりする物質なので、非常に需要が高い物質です。原材料は珪石といって、昔は「火打ち石」と呼ばれていた鉱物から作ります。これは鉄と同様に地球上に数多く存在する物質で、多分このネタでも記事が一本書けるんですが、実は日本はこの珪石を中国から大半を輸入しています。

 そんなシリコンから作られる太陽電池ですが、ここでもまた種類が分かれます。まず、よく民家の家の屋根などに取り付けられている太陽電池は、いわゆる結晶型の太陽電池が使われております。この結晶型はさらに「単結晶型」と「多結晶型」と、材料に使われるシリコンの純度によってまた分けられており、単結晶型というのは高純度のシリコンを材料に使うためコストも比較的割高なのですが、その分発電量を左右する変換効率は高いとされています。
 それに対して多結晶型は純度の低い安価のシリコンで作られますが、単結晶型に比べると変換効率は低くなります。しかし変換効率は低いものの、コスト面では絶大な力を持っており、現在の太陽電池の主流となっているのはこの多結晶型で、さらに近年はネックだった変換効率も高く向上しており、この面で単結晶型に迫ってもきているといいます。

 これら結晶型に対して、ある意味一番身近な太陽電池がもう一つの「アモルファス型」太陽電池です。このアモルファス型は主に小型精密機器に使用されており、電卓などについている太陽電池はほぼ間違いなくこのアモルファス形です。先ほどの結晶型と比べると変換効率は非常に低いのですが、結晶型と違い光の波長が短波でも(太陽光は長波)電気へと変換できるので、蛍光灯の明かりでも使用できるのが大きな問う口調です。材料のコストも低いのですが、太陽光を浴び続けると劣化してしまうのとその変換効率の低さゆえにこれまで大きな需要へとは至らなかったのですが、こちらも技術の進歩によって劣化対策が進み、現在では主に「多接合型太陽電池」などに組み込まれるようになっております。

 この、今出た多接合型太陽電池というのは、複数の光の波長に対して対応させるために作られた構造のことをさしています。先ほどアモルファス型の説明で出ましたが、アモルファス型は短波の光に対応しているように、各太陽電池の種類もそれぞれ変換できる光の波長が決まっています。そのため、対応している波長の違う太陽電池を一つの装置に組み込むことによって、文字通り光を余すところなく電気へと変換できるようになるので、こうして組み合わさって作られているのがこの多接合型太陽電池です。このように複数の太陽電池を組合わすことによって近年の変換効率の上昇率が飛躍的に高まっていったとされます。

 ようやく太陽電池の説明が終わったなぁ。明日からようやく書きたい内容が書けるよ……。

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