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2009年1月6日火曜日

ウェッジウッドとウィッタード

 あんまり大きなニュースになっていませんが、イギリスの老舗陶器メーカーのウェッジウッドが破産したそうです。さらにこのちょっと前にはウィッタードという、日本人にはあまりなじみがないかもしれませんが紅茶とコーヒーを売ってる同じくイギリスの老舗も潰れてしまいました。実は私はここで言うのもなんですが相当な紅茶マニアで、ロンドンに滞在中はウェッジウッドはともかくとしてウィッタードには足しげく通って今でもここのカップを持っています。ちなみに、そのカップは某K君がやけに気に入ってうちに来るたびにそのカップの使用を要求してきました。

 ウェッジウッドはうちのお袋が焼き物を集めるのが趣味でここのカップも家の中に数多くあり、私も折に触れては取り出して使っています。やっぱりこういう茶器製品などは値の張るものは張るだけあって、使っていて持ちやすかったり飲み易かったりする上、雰囲気によるものかもしれまえんがいつもよりお茶もおいしくいただけるような気がします。それだけに先の二社の破綻は私にとって非常にショックで、残る英国老舗のフォートナムメイスンはこのまま残り続けられるのか早くも心配をしています。

 その一方で、現在日本の焼き物産業もどこも苦しいそうです。原因は私のように若い癖して焼き物に金使う人間が減ったのとプラスチックによる大量生産品の食器が増えたことですが、こうして衰退していく焼き物業界について私の恩師が昔に、どこかは忘れましたが瀬戸や伊万里に負けないほど有名な焼き物の産地があったそうですが、そこもご多分に漏れず経営が苦しくなってある時、思い切って質を下げる代わりに量を売る方針に切り替えたそうです。そうして一時はよくなったものの、現在はその産地ごと焼き物産業はなくなったらしく、恩師はこの事例から、たとえどれだけ経営に苦しくなっても質を下げてしまえばいつか自滅していくことになると私に教えてくれました。

 これと似た例として、一度財務破綻した吉野家がコスト削減のために牛肉の質を落としたところ、経営指導のために銀行から派遣された人が従業員らがやる気をなくしているのを見て尋ねたところ、やはり牛肉の質の低下による牛丼の味の劣化に納得いかないとのことで、やむなくコスト度外視でまた元の質の牛肉に切り替え、その後見事に復活を果たしたという話があります。なお吉野家はこの時の経験から、かつてのBSE騒動の際に他の牛丼チェーンがオーストラリア産牛肉に切り替えて牛丼を続々と復活させる中、質の劣化を起こすとしてアメリカ産牛肉にとことんこだわってその動きに乗りませんでした。

 この時は私も、吉野家はいくらなんでもこだわりすぎなのではと思いましたが、改めて考え直すと吉野家の方が正しかったと思うようになって来ました。それだけに、これまで散々コスト削減をやりまくってきた自動車メーカーの日産(トヨタは初めからずっとそうだけど)なんかは、今後とも本当にこのままでいいのかとたまに思います。

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