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2009年4月20日月曜日

政党交付金制度による世襲議員の促進

 昨日は神宮球場に友人とヤクルトVS広島戦を見に行ったので、金曜に引き続きまたブログを休んでしまいました。それにしてもアウェーでありながら明らかに広島ファンの数のが多かったのは不思議でした。

政党交付金、7党に支給(YAHOOニュース)

 そんなわけで二日ぶりのこのブログですが、今また頭痛を起こしていて今日も休もうかとも思ったのですがさすがにサボりすぎなので短くまとめようと政党交付金について解説します。
 この政党交付金というのは政界汚職が吹き荒れた55年体制末期こと平成初期に、非自民連立内閣の細川政権時に成立し現在まで施行されている制度です。この制度の具体的な内容というのは政治家が日々の活動のために使う政治資金を国から政党へと税金を使ってそのまま交付するという内容で、多分見る人から見たら噴飯ものの制度だと思います。

 何故こんな制度が出来たのかというと、今も昔も政治家が政治活動を行うのに先立つものとしてたくさんのお金が必要ということに変わりはありませんでした。そのため資金力に余裕のある政治家ほど選挙や党内で有利になる傾向が強くなるため、資金力を確保するためにいろんな企業との癒着や汚職行為によって企業献金を集める政治家が後を絶たず、成立当時は佐川急便事件などそれが表に出てきて国民からの批判が一斉に集まった時期でした。こうした企業との癒着をなくすためにはどうすればいいかということで、なら政治活動に必要なお金は国が出そうと、国会内の議員数に応じた分の交付金を政党に交付するこの制度が生まれたのです。
 確かにこの制度を作るにあたり言わんとすることはよくわかり、現役の議員の方などの話を聞いているこの交付金がなければ何も活動することが出来ず、日々の資金を企業からの献金に頼る割合が強くなってしまうという方もたくさんいます。しかし私は現状のこの制度を見ているとやはり順効果に対する逆効果の方が強すぎるため、即刻とまでは言わずとも改正するべきではないかと考えています。

 ではこの制度の何が問題なのかということですが、結論から言って政治家に対して政党という組織が強くなり過ぎる傾向があるからです。
 この交付金は政治家一人一人に均等に配られるわけではなく所属する国会議員数に比例して政党に配られるため、政党に属していない無所属の議員と所属議員が五人未満の小会派は一銭たりとももらえず、これだけで政党に属す議員に対して彼らは資金力に差が生じてしまいます。さらには政党所属の議員たちにとっても内心では党幹部の方針を快く思っていなくとも政党を離脱してはこの交付金を得ることが出来なくなるため、心ならずも政党に従わざるを得なくなると言われています。

 そしてこの制度で一番問題なのは、これは全くの私の持論ですが世襲議員を増やしてしまう効果があるのではないかと思っています。
 理屈はこうです。何度も言いますが政治活動、ひいては選挙において政治家はたくさんお金が必要です。そうした選挙にかかる費用をこの政党交付金がまかなっている部分も少なくないのですが、先にも述べたとおりに無所属議員は一銭たりともこの交付金を受けることが出来ず自弁でやるしかなく、必然的に選挙時には交付金のある政党所属議員の方が有利になってしまいます。その政党はというと近年特にこの傾向が強くなってきたのですが各選挙区の候補を決める際、政治家としての資質そっちのけでかつてその選挙区出身の議員の子弟こといわゆる世襲候補を政党の公認候補として指名する傾向が強くなっています。

 世襲議員は自民党では今の少子化大臣の小渕優子議員を始めとして今度の選挙では小泉元首相の子供も立候補するそうですが、対する民主党も私の以前にやった調査では自民党には劣るものの世襲議員が数多くおります。こうなるのも政党が候補者を指名するという関係上、どうしてもOBの子弟を優遇する傾向になってしまうことからですが、この政党交付金制度で政党が組織として選挙に強くなる一方で政党に属さない無所属議員や小会派が資金力に差がつけられて選挙で戦いづらくなり、これが続けばますます世襲議員が増えていくのではないかと私は予想しています。

 ここで言ってしまいますがどんな選挙制度がいい選挙制度なのかといえば、それはやっぱり能力や志の高い人間ほど当選しやすくなるという制度に尽きます。しかし前にも書いたようにここ数年の世襲出身の議員や首相はどれもぱっとせずなんでこんなのが当選してしまうのかと思ってしまうような議員ばかりの一方、政党からの指名を受けられないために自民ではなく民主から当選した議員らの活躍ぶりを見るにつけもっといい選挙制度はないのかと頭を悩ませてしまいます。
 世襲議員というその属性だけでなんでもかんでも良くないとは言うつもりはありませんが、真に実力のある候補者をどう当選させて国会に送り込むか、そうしたことを考える上でこの政党交付金制度はまだ再考の余地があると考えています。

2 件のコメント:

SOFRAN さんのコメント...

神宮球場での野球観戦うらやましいですね。ところで、記事の内容とは少し離れてしまいますが、私が最近注目しているのは、このところニュースでも時たま触れられていますが、ミツバチの失踪、大量死?です。なんか最近、ミツバチが減少するという状況(おそらく人間の活動による生態系の破壊が原因だと思われ)がおきています。たかがミツバチと思われますが、どうも主要な野菜や果物の栽培に大きな手助けをしてもらってるらしくて、農業にも打撃を与えるのではないかと懸念されています。この現象は、アメリカや世界各国でも起きているらしくて、その事が、『ハチはなぜ大量死したのか?』ローワンジェイコブセン文藝春秋に書かれています。これ、結構大事な問題だと思います。 あと、先程、夕食を食べながら、ラジオニュースを聞いていましたら、ビッグニュースが飛び込んできました。今、NHKの連続テレビ小説は、知らない人はいない未華子ちゃん演じる「つばさ」が放映されていますが、来春はなんと鳥取県境港市が誇る妖怪漫画家水木しげるの自伝をもとに制作されるそうです。おそらくマンガの『水木しげる伝』やその他の著作が下敷きになるのでしょう。花園さんの愛読書が『水木しげる伝』とのことなので、真っ先にお知らせする次第です。

花園祐 さんのコメント...

 ミツバチの大量死は確かに気になっていますが、何が一番不気味かというと原因がわからないということです。同じくスズメもこのところ街中から急激に姿を減少しているので、何か関連性がないのか私なりに今情報を集めている最中ですが、環境問題が直接的原因かとは言わず、環境問題の何が原因なのかをしっかり見つめてから対策を取るべきだと考えています。

 来年の朝ドラですが、もちろんキャッチしてますよ。なんでも私も発売してすぐに買った、水木しげる氏の奥さんの自伝こと「ゲゲゲの女房」が原作になるそうですが、撮影があるのなら是非境港に見学に行きたいです。ってか、この際だから鳥取に骨を埋めたいです。