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2009年4月12日日曜日

09年度補正予算案について

 前々から書こうと思っていたけど、昨日に友人と議論して整理がついた上に今日のサンデープロジェクト内でも取り上げられていたことから材料が揃ったのでまとめようと思います。
 現在政府は経済対策として過去最大規模となる15兆円もの補正予算案を検討し今国会内で通過させることを目標として挙げていますが、結論から言えば私はこの補正予算案は無駄な一石に終わると考えています。

 検討する要点がたくさんあるので一つ一つ説明してきますが、まず一番問題なのは時期です。これは私も思っていたところ今日のサンデープロジェクト内で竹中氏も言っていたので自信を持つようになったのですが、何故この時期に補正予算案を組んだかです。景気が悪くなっているから財政出動が必要というのは理解できるにしろ、今年度の本予算が先月に通ったばかりにも関わらずまたすぐに補正予算を組もうとするのかが問題なのです。
 景気対策としての財政出動は言うなればタイミングが最も肝心で、早ければ早いに越したことはありません。ですが現在の麻生政権は本予算を国会で通した後でこの補正予算案を出してきており、どうして本予算に一緒に組み込んで審議、実行しなかったのかということです。

 もう一度言いますが財政出動は早ければ早いほど、またまとまっていればまとまっているほど効果が見込めます。恐らく今回の補正予算は本予算じゃ足りなさそうというのが本予算の審議中にわかってきて、足りない分を後から上乗せしようとして作ったのだと思います。それを裏付けるかのように麻生首相は記者会見にて何故15兆円もの額になったのかと尋ねられ、必要な分を重ねていったらこの額になっただけだと答えています。

 この発言について竹中氏は今日の番組にて、政府は今の不況を克服するのにどれだけの額、どんな政策が必要なのかという現状分析を行わずにただお金を積めばいいとして補正予算案を作っていると批判していましたが私もこの竹中氏の発言を支持します。これはちょっと思い出せないのですがどこかで見た評論にて、二次対戦中の日本軍も状況分析を怠り、勝利するのにどれだけの兵力や兵器が必要かを考えずに部隊を投入させては戦況を悪化させ、その度に戦力の逐次投入を行った結果勝てる可能性のあった戦闘もみすみす敗北した経験があるが、現在の政府の不況対策も全く同じであるという批判もありました。

 そして補正予算案の中身を見ても、あくまで私は素人ですがその素人目にしてもこれで本当に効果が見込めるかといったら非常に疑問な内容です。まず自動車や家電をエコ替えとばかり燃費効率のいいものに買い換える場合に還付金を出す内容ですが、これでは一時的な消費を生んでも結局その場しのぎにしかならず、言うなれば将来車や家電を買い換える人がその時期を早めるだけに終わってしまいます。
 また少子化対策として3~5歳の子供のいる家庭に3万6千円を配布するという内容も盛り込まれていますが、配布するのは今年度の一回限りということなのでこれでは定額給付金と一緒で本当に何にもなりません。

 そして私がまだ期待していた贈与税の減税も非課税枠を現行の年110万円から用途を住宅購入に限って500万円まで非課税とするとしていますが、何故ここに至って住宅購入に用途を限定するのかが理解できません。恐らく建設業界に泣き疲れたんだと思うけど。

 私としては15兆円もの大金を使うのであれば需要に対して供給が全然足りておらず、また薄給激務で知られる介護事業などの補助金や人材育成に使ったり、不安定な雇用環境の中で生活の安定しない人たちの生活保護や就職援助に使う方がずっと建設的だと思います。一応これらの方面へもこの補正予算案では盛り込まれていますが、エコ替えの分の予算も丸ごとこっちへ持って来るべきでしょう。

 最後にもう一度繰り返しますが、政府はもっと現状分析をしっかりとやった上でどこにどれだけの額の予算をつぎ込むのが最も建設的なのかということをしっかり考えるべきです。昔から日本人が統計に弱いのはわかっちゃいますが。

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