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2009年5月26日火曜日

何を目安に投票すればいいのか

 次の衆議院選は長くともこれから四ヶ月の間に行われるということもあり、このところあちらこちらで各政党の候補者らが街頭に立って選挙演説を行っているのをよく見ます。さてこの次の選挙ですがわざわざここで私が言わなくとも、参議院では既に与党が過半数を確保していない背景もあって民主党が強く主張しているように政権交代の可能性を含んでおり、時期が時期だけに今後の日本を占う上でも重要な選挙となる公算が高いといわれています。

 そうした背景を持っていることから私の周りでは早くも、次の選挙では小沢元代表や鳩山現代表は好きではないものの必ず民主党に投票するという知り合いが数多くいます。私としても少なくとも今の麻生政権が続くことだけは避けたいので民主党に入れるものかと考えはするのですが、かといって地元の民主党の候補が一体どんな経歴を持った人物でどんな政策をもっているのか、それどころか現在の民主党が掲げている路線に果たして本心から協力的なのか、全く知らないわけじゃありませんがさすがに集会に出たりして取材をしているわけじゃないので断言することが出来ません。

 ここで今日の問題提起ですが、そうした全体の流れから民主党を応援するといっても地元の民主党の候補が過去に問題のある発言や行動、果てには能力的にも疑われるような候補だった場合、果たして民主党を応援するためといってもその候補に投票をしてもよいのでしょうか。またそのような問題がありそうな候補の対抗馬が自民党の候補といっても、非常に優秀で将来的にも人材であるとしたら、いくら政権交代を一度実現させるためとはいえむざむざ落選させてもよいのでしょうか。
 ここまで言えばわかると思いますが、有権者は選挙において候補者自身の能力や人柄を目安に投票をするべきなのか、それともその候補が所属している政党が掲げている政策を目安に投票するべきなのか、この点について自分の意見を今日は述べようと思います。

 まず現在の日本の選挙制度である小選挙区比例代表並立制では、はからずもこの二つの思惑を同時に実現することが出来ます。たとえば小選挙区投票では政治家としてみた場合に優秀だと思う候補に、比例区投票では政策に賛同する政党にとそれぞれの投票し、自分の意志を十分に投票に乗せることは出来ます。そういう意味で私は現在の選挙制度はなかなか良く出来てると思うのですが、こうした投票が出来ない地方自治体選挙ではじゃあどうなるのかということで、こっちの制度で話を進めていきます。

 仮に政党を目安にして候補者の人柄などを無視し投票して当選させた場合、確かにその後の政局ではその政党が政策を実現できる力は強まりますが、記者会見で酩酊振りをみせるなど今の麻生内閣のようになんでこんな人が大臣になれるのかという疑わしい人物を送り込んでしまう可能性があります。逆に政治家の人柄で投票したところで、賛同する政党と一致していればともかく異なっていれば自分の願うように政治が動いてくれないばかりか逆に歯止めをかけてしまうことになりかねません。

 なんでこんな問題提起をわざわざここでするのかですが、まだ組織票が強かった90年代の選挙において私は国民全体が自民党に問題があるとは思いつつも、利権やら地元のしがらみといった昔からの関係でなんとはなしに大して実力もない自民党の候補、それも今問題となりつつある世襲の議員なども受からせてしまい、政治が延々と低迷をし続けてあの失われた十年を作ってしまったと考えているからです。確かにこうした経緯を鑑みると個人としての資質は二の次にして政策や政党で投票をするべきかとは思うのですが、そうして賛同する政党の候補を受からせたところでその後その政党が政策を堅持するかは未知数であり、今の自民党のように小泉政権時の政策をまさに根本から引っくり返してしまうと後にはただ9.11選挙の流れで、たまたまと言ってはすこしかわいそうですが、流れで受かってしまったちょっと実力が未知数な議員しか残らなくなってしまいます。

 政治家にとって落選は即、死を意味しており、たとえ一回の落選でもその後に立ち直って再度出馬するには今の日本では相当な苦労が必要となります。地元に優秀な候補がいるとはいえ政策の路線上で対立候補に鞍替えして投票し当選させた場合、その後また前に応援していた優秀な候補に舞い戻ってもらおうと思ってもそうはなかなか行きません。

 あまり考えをまとめていないので今日はやや崩れた構成の記事になっておりますが、結論から言えば政治家を資質で選ぶか政策で選ぶか、これはどっちが絶対的に正しいというのはないと私は思っています。選挙の質や時期、内容によって判断基準の比重は大きく変わりますし、またこうしたことはそれぞれ個人が決めることであって、法則のように「長期的には絶対こっちが正しい」と言うべき内容ではないと思います。とはいえ、どんな目安が重要になるのかを考えるためにこうした議論があった方がいいのではないかと思い、本日記事にまとめてみたわけです。

 なおこの話題を友人に相談したところ、少なくとも次の選挙は政党の政策で選ぶべき選挙だと言われました。私はどうかですが、折角比例代表並立制なんだし、それに合わせて投票しようと思います。

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