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2009年7月1日水曜日

どっちの政党がどの政策を実現できるのか?

 今日でかなりディープな政治ネタが三連発も続いてしまいますが、実をいうとこの企画は二週間前に思いついておきながら資格試験と信長の野望のために伸ばし伸ばしになっており、ようやく書ける余裕が生まれたことから他のネタには一切振れずに現在必死で書いています。こんなことをいいながら、昨日は「街道~峠の伝説」というレースゲーム、一昨日は「パチパラ13」を延々とやっていたわけなのですが……。

 そんなわけで今日の政治ネタです。昨日、一昨日と政治家や政府に求められている政策を国民目線と私の目線でいくつか提起しましたが、それらの政策を自民と民主、どっちの政党が実現力があるのかということを本日比べようと思います。
 日本は基本的にはずっと自民党の単独政権で戦後から現在まで続いてきましたが、政権交代のある欧米諸国では各政党ごとにそれぞれの持ち味というか得意とする政策があり、国民も時代々々に政府に求める政策を得意とする政党を選ぶことで政権交代を行わせてきました。選挙を控えた去年から二大政党制の実現だとかいろいろ言われてはいますが、何故二大政党制になるのかや政権交代が何故必要なのかというのはつまるところ、今求められる政策をどっちの政党ができるのかという比較があってこそ私は成り立つと思います。

 そういうわけで今日はこれまでに提起した政策を個別に自民、民主で実現力を比較する私の評価を紹介しようと思います。まずは国民が恐らく今、最も求めているであろう年金問題についてですが、私の評価は下記の通りです。

1、年金問題の解決
自民× 民主○

 この問題においては甲乙がはっきりしており、圧倒的に民主党の方が年金問題の解決を実現できる可能性が高いと自信を持って言えます。その理由を一から説明すると、まず自民党は福田政権以降は官僚に政治を任せて年金問題などの問題に一切踏み込まないでいました。今の麻生首相に至っては「私は官僚の味方だ」とまで公言しており、こんな政権ではとてもじゃないですが社会保険庁を追求することを期待する方が間違いでしょう。もっとも安倍政権時はまだこの問題にも関心があり実際に手もつけようとしましたが見事に社会保険庁の自爆テロに遭ってしまい、知っての通りにこの問題が元で選挙でも大敗してしまいました。ただ安倍政権にも全く非が無いわけではなく、政権与党でありながら社会保険庁の抱えていた問題を民主党に追及される形で次々と暴かれ、自らが精査して先手を打って改革することが出来たにもかかわらず常に後手後手の対応を見せており、多分あのまま続いても解決させることはできなかったでしょう。

 それに対して民主党はこの問題を厳しく追及して一挙に問題性を暴き、一躍民主党を躍進させた長妻昭議員がおります。いわばこの問題は長妻氏がいなければなかったことにされていたかもしれない問題で、私は現時点で長妻氏、もしくは彼とよくタッグを組む山井和則議員でこの問題が処理できないのであればもはや誰にも処理できないとすら考えており、そうしたことを考慮して上記の評価となりました。

2、景気回復
自民× 民主×

 次にこちらも国民の関心の強い経済問題ですが、この問題は言ってしまえばいくら日本だけが頑張ったところでどうにもならないというのが私の結論です。というのも現代の経済は文字通りグローバル化しており、ただでさえ輸出依存を強めてきた日本が成り立つには外国が物を買うまで景気回復しなければならず、内需を増やそうったって昔と今とじゃ違うのだからバラマキが効果を為すとはとても思えません。
 少なくとも現時点の自民党のバラマキ策は現代の若者と子供に借金させているだけで意味が無く、かといって民主党が掲げている経済政策にこれといって私の目を引くものもないため、どっちもどっちということで二つとも×に落ち着きました。

3、財政再建、公務員制度改革、税制改革
自民× 民主△

 私は基本的にこの三つの政策はセットで、なおかつ同時進行で行わなければ実現できないと考えています。まず自民党については先週に財政再建を目指した「骨太の方針」を事実上放棄する形で歳出抑制策を放棄した挙句、いくら経済危機とはいえ補正予算のために大量の国債を発行して借金を増やしたことから、現時点で財政再建の実現力は低いと判断せざるをえません。とはいえもう一方の民主党も政権を取った暁には大盤振る舞いともいえるような社会保障を行うとマニフェストに掲げており、果たしてそんな政策を実現しながら財政再建が行えるのかはなはだ疑問です。

 ただ民主党の場合は数年前から「霞ヶ関埋蔵金」こと各省庁が持つ裏金の存在を指摘してそれを有効に活用すれば再建は出来ると主張していたのに対し、自民党は「そんなものはない」といいながら今年の補正予算では散々否定してきた与謝野氏本人がちゃっかりそれを出してきて使ってたので、こうした点を考えるとまだ民主の方が当てになるかと思って気持ち分として△にしました。
 しかし民主党も必ずしも埋蔵金を発掘できるかというと、民主党の支持母体が公務員で組織される自治労であることを考えるとやはり難しいでしょう。仮に民主党が政権を取ったとする場合に私はこの自治労をどう扱うか、いわばどれだけ味方となる公務員を引っ張り、敵となる公務員を切り捨てられるかが政権維持の上で非常に重要になってくると思います。この辺はまた別に書いてもいいな。

4、外交、防衛問題
自民○ 民主×

 これもはっきりしていて、この問題では自民が圧倒的に有利でしょう。対抗馬の民主党はそもそも党内意見が一致しておらず、北朝鮮問題ひとつとっても政党を瓦解させかねないくらいの脆弱さを持っています。もし今も民主党代表がが小沢氏であればこの民主の弱点はある程度補完されたかもしれませんが、今の鳩山代表ではかえってこの弱点が浮き彫りとなってきたように思えます。

5、司法制度改革
自民× 民主×

 私が見る限り、両者どちらもこの問題にあまり関心がないように思えます。ただ民主党の場合はこの前小沢氏に国策捜査が行われたので、ひょっとしたらやってくれる可能性がありますがあくまでひょっとしたらで恐らく政権とっても手をつけないと思います。

6、農業問題
自民△ 民主×

 この問題はどっちもそこそこ問題視こそしているものの具体的な解決策や提案が何一つ見えてこず、所詮は票田獲得のためのパフォーマンスでしかないという評価からあまり期待しておりません。ただ自民党の場合、現農水大臣の石破茂氏は元々の能力もさることながら農水問題についても知識があるように私には見え、特に今月の文芸春秋においてのミツバチの失踪問題の対談ではその造詣の深さがうかがえるので、石破氏が農水大臣に留まるのならまだ、という期待から自民に△を付けました。

 ざっとこんなもんです。本当なら姉妹サイトのずっと放っている「陽月旦」で表にしてまとめて公開するべきなのですが、現時点で争点となりうる政策を比較すると私の中では以上のようになります。基本、政治というのはわかりにくいものですから、こういう風に比較を用いて政策ごとにいろいろと解説するべきなのですが、どうもニュースを見ていてもこの辺をしっかりやっているところが少ないので今回やってみました。
 このほか比較してもらいたい政策や課題、果てには議員ごとの比較などがあればどしどしリクエストをください。対応できる範囲で対応いたします。

 さて、今日は「パチパラ13」をやろうかな。

4 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

今週になって、雨がやっと降ってくれて、ひと心地ついた今日この頃です。 そういえば、昨日のニュースでちょっとやってましたが、起訴休職外務事務官こと佐藤優氏の有罪が確定したようです。これによって、外務省は失職となり、この長い肩書きも使えなくなってしまいます。この事件も佐藤氏が主張しているように、国策捜査であるとする向きもあります。思えば、小泉政権時代のこの頃は、不穏な動きが多かった。外務省の機密費をめぐる攻防から、いわゆる喧嘩両成敗という形で、田中真紀子と鈴木宗男は要職を外され、後に、宗男氏は斡旋収賄の罪などで逮捕、真紀子氏は、秘書給与流用疑惑で、議員辞職に追い込まれ、また、国会で鈴木宗男の疑惑を厳しく追求(疑惑の総合商社など)し、時の小泉首相に「ソーリ、ソーリ、ソーリ」と連呼したあの社民党の辻本清美氏も秘書給与流用疑惑で逮捕された。その逮捕時期は、疑惑発覚から一年後、総選挙が近いと言われていた2003年7月だった。 あと、日本歯科医師連盟の闇献金事件もどうなんでしょうか?この事件によって、橋本龍太郎の政治生命は絶たれ、失意のまま亡くなり、また、首謀者とされた村岡兼造は一貫して無罪を主張している。ちなみに、きのうは橋本龍太郎氏の命日でした。 これらの事件は、実際に罪状とされる行為はあったかもしれませんが、この捜査を行う検察の【意思】、またどういう【意図】が隠されているかを忘れてはならないと思います。

花園祐 さんのコメント...

 今年の関東地方は割合に梅雨らしくて細かい雨を含めるとしょっちゅう降っています。北九州とかは大雨だったそうですが、地域によってばらつきがありますね。

 佐藤優氏の有罪確定も記事に書こうと思ったのですが、この記事もそうですけど結構体力のいる記事なので飛ばしてしまいました。今日これから短くともいいから書こうかな。
 小泉政権時はまさにこくさく捜査のオンパレードでしたが、不良債権の解消などやることはいちおうやったので私としては過渡期的には必要だったと思うし、当時にパージされた議員は私もあまり好きじゃない議員ばかりだったのであまり気にならなかったですね。とはいえ、叩けば埃が出る人間をいつ叩くのかという検察の意志は確かに気になるところです。

匿名 さんのコメント...

確かに、田中真紀子や辻本清美などは、花園さんはお好きでなかったですね。でも、もし次の選挙で民主党が政権をとって、田中真紀子が外務大臣になったりしたら、、、いや、可能性は限りなく低いでしょうが、個人的には面白いかも。花園さんは陽月旦で「ただの主婦」としていて、評価は厳しいですが。前の外相時も、機密費をなんとかしようという熱意だけはあったと思います。 あと、先ほどあげた名前の中で、村岡兼造氏は無罪の可能性が高いのではとにらんでいます。勉強不測で断定はできませんが。でも、こういう事を後で書いてもむなしさがあるんでしょうか?権力は圧倒的に強いし。【ペンは剣よりも強し】という格好いい言葉もありますが。

花園祐 さんのコメント...

 村岡兼造氏は確かに年を経るごとに何が悪かったのか良くわからなくなってきましたね。ただあの時代、叩いても埃がでない小泉元首相は非常に強かったですね。よくマスコミは小泉元首相の演説が良かったのだと評していますが、私はそれ以上に彼がお金にはきれいだった事が任期を全うできた要因だと思います。