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2009年7月7日火曜日

自民党の混迷と気になるアイツ

 このところ選挙も近いせいで政治系の記事ばかり書いていてたまには気の抜ける記事も書きたいのですが、今日の記事もあまり間隔を空けられないニュースなだけにまたもや政治系記事です。そんなふんだりけったりな気持ちで書く今日の内容は、選挙前にもかかわらず混乱に拍車がかかってきている自民党についてです。

 一昨日の日曜に行われた静岡県知事選ではすでにニュースでも報じられている通りに民主党が推薦していた川勝氏が見事当選し、四月以降の民主党の地方選挙での連勝も継続し続けています。この静岡県知事選の結果について自民党の幹部らは「所詮は地方選挙で、国政選挙に強い影響を与えないだろう」(細田幹事長)といった内容で口を揃えて振り返っていますが、もともと静岡県は自民党の地盤が強い土地であるうえに民主党は推薦候補者を川勝氏に一本化できずに海野氏もともに推薦していて票が割れたことを考えると、投票結果では自民推薦の坂本氏と僅差ではあるものの実際的には自民離れが相当なものであるということを強く裏付ける結果であると私は考えます。

 また宮崎県の東国原旋風以降は地方選挙に対しても全国規模で関心が高まっており、今回の静岡県知事選でも投票率が前回44.49%から61.06%へと急増しており、次回の東京都議選も投票日まで時間がまだあるにもかかわらずさながら国政選挙かのように各国会議員が応援に駆け回っていることを考えると、「所詮は地方選挙」と見るのはたとえ強がりで言ったとしても見識が甘いのではないかと思います。
 その自民党ですが、肝心の国政選挙に対しても現時点で明らかに準備不足で、なおかつ大きな混乱振りが以下のニュースより伺えます。

10年内に国会一院制、自民がマニフェスト(読売新聞)

 上記のニュースでは自民党が次回選挙に向けて製作しているマニフェストの草案内容が書かれているのですが、その内容をリストアップすると、

・10年以内に参議院を廃止して一院制に移行する
・同一選挙区内における3親等以内の世襲議員の立候補を次々回の選挙より禁止する
・国直轄事業負担金の廃止
・3年後に幼児教育費を無償化する

 といった内容なのですが、まず確実にこれらは画餅に終わると私は断言できます。
 まず最初の一院制の移行についてですが恐らく自民党の参議院議員からすれば寝耳に水の話で強い抵抗が起こって、恐らく盛り込まれるとしても「~に向けて議論する」で終わるでしょう。そして二番目の世襲禁止についてもこの前に散々にもめて結局大半の幹部らの強い抵抗によって潰されたのに、この草案を作ったのは菅氏だそうですがこの人の執念もここまでくるとたいしたものです。

 ただそういったこと以上に、このマニフェストの草案がこうして表に出ること事態がそもそも問題です。というのも一度掲げた政策を後で引っ込めるほど格好の悪いものは無く、事実麻生政権は選挙をやると言ってはやらず、道路特定財源を廃止すると言っては鞍替えしただけ、郵政民営化に至っては実は反対だったと背筋の無い姿勢が一番支持率低下につながったのがこの一年でした。それだけにこのマニフェスト草案、内容は確かに非常に思い切りがよくてこれがそのまま通るのであればまぁ大きくプラスにはならずともマイナスにはならないでしょうが、恐らくこの後どんどんと表現が弱められて有権者にかえってますます支持離れを起こさせてしまう可能性があります。別にマニフェストに限らないですが、もっとしっかりと内容を煮詰めて今後変更の必要の内容にしてから表に出すのは政治の基本でしょう。もっともこの点は民主党にも同じことが言えますが。

 それゆえにこの草案が表に出てきたことひとつとっても、自民党内に相当な混乱が起きているのではと思わせられます。事実もはや解散権は錆びた宝刀とまで言われるほど効力をなくしており、麻生降しも公然と行われる今になっては統制が取れていなくとも不思議ではありません。
 そんな状況で、私がこの一ヶ月で一番気になる人物がおります。何を隠そうその人物と言うのも小池百合子元防衛大臣です。政界軽業師とまで揶揄されるほど最高のタイミングで次々と政党を鞍替えし、前回の総裁選挙では初の女性候補にもなった小池百合子氏ですが、何故だかここ一ヶ月ほどテレビなどで姿を見ることが一回もありませんでした。一つ考えられるのは死に体の麻生政権に与していないように見せるために敢えて姿を隠しているのでは、とも思うのですがそれにしたってインタビューでも全く見えないというのは異常です。

 一体どこで何をしているのかとネットで調べると、5日にフジテレビの番組に出演して麻生政権を支えると言ったそうですが前歴が前歴であるだけに私はそう鵜呑みにはできません。いくつか予想を書くと、麻生降し後の総裁選挙を狙っているとか選挙後に民主党へ移るとかいろいろあるのですが、知名度があるだけに去就が非常に気になります。私としては能力は買っているので、後はどれだけ政治を面白くしてくれるかその立ち回りを小池氏に期待しています。

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