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2009年8月3日月曜日

石川遼選手の優勝の陰で

男子ゴルフ:石川遼絶叫バーディー!泣けた!初の完全V(毎日jp)

 昨日最終日が行われたゴルフツアーのサン・クロレラ・クラシックの大会において、かつて私も「最近の見上げた若者について」の記事で文句なしに誉めそやした石川遼選手が見事優勝を飾りました。今大会において石川選手は初日から最終日までトップ順位で大会を引っ張っていき、最終日にオーストラリア出身のブレンダン・ジョーンズ選手に追いつかれるものの最終18番ホールで一打差を離しての劇的な勝利を勝ち取るに至りました。昨日の夜のスポーツ番組ではどこもこぞってこの石川選手の快挙を取り上げていましたが、かつて「ハニカミ王子」というニックネームで呼ばれた初々しい姿はどこ吹く風か、見ているこちら側からしてもこの数年ですっかり風格と貫禄がついてきたと感じさせる堂々たる優勝ぶりでした。

 しかしこの石川選手の素晴らしい優勝の陰で、あまり取り上げられなかった残念な事実も昨日のこの大会においてありました。その事実と言うのも、石川選手と最後まで競り合ったブレンダン・ジョーンズ選手へのギャラリーの悪質な行為です。
 二人同じ成績にて臨んだ最終18番ホール、石川選手とジョーンズ選手は同じ組でコースを回り、このホールでは二人とも同じ打数でボールをグリーンに乗せました。グリーンの位置は互いに確実にカップを狙える距離ではなく、息詰まる状況下で先にジョーンズ選手がバーディーショットを打ったところ残念ながらボールはカップを外れてしまいました。

 するとまさにその時、まるでジョーンズ選手が外したことを喜ぶかのようにギャラリーの中から拍手をする音が聞こえてきたのです。続く石川選手はこの直後に見事一打でカップへボールを入れて同じくギャラリー席から大きな拍手が鳴ったのですが、それだけに先ほどのジョーンズ選手への拍手が私の耳に強く残りました。

男子ゴルフ:石川遼インタビュー「最後まで戦ったジョーンズに感謝」(毎日jp)

 上記のリンクに貼ったニュースでも書かれてある通り、石川選手は優勝後のインタビューにおいて溢れんばかりに涙を流し、その涙の理由について下記の通りに答えています。

「最後の最後まで一緒に戦ってくれたBJ(ジョーンズ)にこれ以上ないぐらい感謝をしたい。勝負に緩みがなかった」

 この石川選手の発言について私が見た限りで唯一ジョーンズ選手への心無い拍手を取り上げたフジテレビ系報道番組の「サキヨミ」では、やはりあの拍手を石川選手も気にしたのではないかとナレーションで報じていましたが、これまで石川選手は人前で涙を見せることがほとんどなかったことを考えると私もそうなのではないかと思います。

 実は今までニュース報道について私はフジテレビをあまり特別視してこなかったのですが、私の確認する限り他の報道局がどこもこの事実を取り上げない中で昨夜のこの「サキヨミ」だけがこの事実を報道したのを見て、今回大きくフジテレビを見直しました。それとともに石川選手の優勝を祝うのは当然としても、あんなひどい行為が行われても黙っているなんて同じ日本人として非常に残念に思います。
 全然関係者でもなんでもなく、ゴルフといったらマリオゴルフしかやったことの無いこの私がここで言うのもあれですが、石川選手とブレンダン・ジョーンズ選手には今回の素晴らしい健闘に対し心からお祝いを申し上げたいと思います。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

8/3 6時すぎ みのさんも「残念な拍手」と言ってました。

石川選手見たさに 駆けつけた、単なるおっかけで スポーツ観戦者ではないと 思います。

昔 宮里藍 凱旋優勝の時も 似たようなことが ニドムで起きていました。

花園祐 さんのコメント...

 ありゃ、TBSも報じていましたか。取り上げてくれるところがまだあったのは救いですね。

 元々石川遼選手がデビューし始めた頃に急に押しかけたギャラリーのマナーが悪いと問題になりましたが、今回ほど露骨で悪質なものだとはこれまで思ってきませんでした。野球やサッカーならある程度のブーイングは許されますが、ゴルフは静かな競技ということもあり、やっぱりこういう行為を今のうちに非難してなくいていかねばならないと感じます。