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2009年8月27日木曜日

敬語の使われ方

 かなり昔にこのブログで書きましたが、基本的に私は現代国語の敬語表現を非常に嫌っています。というのも最近はあまり聞きませんが、マクドナルドの「一万円、入ります!」など、本来の用法から大きく外れて心情や感情を遠くに置いた形式ばった表現ばかりが今の敬語の中にはよく見受けられるからです。

 実際にこの状況についてはプロの方も問題視しているらしく、この前に読んだ外国人のための日本語学校講師のエッセイによると、敬語表現を母国語の日本人として外人に教えている一方、街中に出てみると誤った用法がさも当然かのように使われているのを見るにつけて果たしてどんなものかと思ったそうです。ちなみにその回のオチでは、最近バイトを始めたという生徒の中国人に宿題の用紙を渡したところ、「ハイ、喜んで!」と返事されて、どこにバイトしているのかが一発でわかったそうです。

 そんな敬語ですが、嫌っているとはいえ私も昔のヤンキーみたく何にでも反抗してたらとても社会生活を送れないので、日常生活の中では一応は妥協して目上の人には対して使っています。ただそうして私が敬語を使う際、こういうのもなんですが相手によって同じ敬語でも自然と口から出てくる相手と意識しないと出てこない相手の二つに別れてしまいます。その両者を分けるのは何かというと、こういえば元も子もないですがやっぱり人柄です。

 やはり自分が尊敬する、信頼している相手に対しては全く意識しなくとも自然と敬語が口から次から次へと出てくるのに対し、立場上相手が目上だとしても横柄な態度を取ってたり普段の行動があまり信用できない相手だと意識しないと敬語で話すことが出来ません。その一方、そういう相手には、「何やねん、ボケ!」という言葉はよく出掛かるのですが。

 別に自分がそういう相手に敬語を使いたくないからというわけではありませんが、私は基本的に敬語というのは相手に強制させて使わせるものではないと思います。もし自分に対してその相手に敬語を使わせたいのであれば、自分が相手の尊敬の対象になるように振舞うべきであって、「言葉遣いが悪い」などと言って相手の揚げ足を取るのは以ての外でしょう。

 如何にして敬語が使われる人間になるか、重箱の隅をつつくようなマナーにこだわるくらいならもう少しこの辺を日本人は考えるべきじゃないでしょうか。

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