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2009年9月24日木曜日

鳩山首相の訪米報道の違い

 ちょっと準備しているネタがあるので、今日もまた手軽な記事でまとめておきます。

 現在も訪米中の鳩山首相ですが、先日のオバマ大統領との日米首脳会談について各紙それぞれ記事を書いているのですが、どうも読んでいて産経だけ妙に浮いた記事を書いているように感じました。そういうわけで各紙の特徴と産経の主張を比較しながら紹介いたします。

 まずどの新聞にも共通している報道内容として、鳩山首相とオバマ大統領は北朝鮮の核問題、核軍縮、環境問題について一致した見解を示し互いに日米同盟の強化に取り組むことを表明したものの、現在日米間で懸案となっている沖縄のグアムへの基地移転問題などについてはほとんど言及がなかったと、まるで判を押したかのように前段は同じような文章の組み立てで報じられています。恐らく共同通信の記事をみんなちょこっといじったんだろうな。

 こうした各紙共通した前段の記事内容の上で朝日新聞は後段にどんなことを書いたかといえば、やはりお家柄というべきか核軍縮についての記述が多いような気がします。一応これ以外にもアフガニスタンの復興支援などについても言及がなされており、優等生らしくオーソドックスな報道内容に見えます。
 なお朝日はこの記事以外にもこの会談を聞いた被爆者の方のメッセージを載せた記事も書いており、この辺の扱いは他紙を圧倒して多い気がします。

 それに対して読売新聞は、朝日新聞以上にシンプルで会談の骨子をさらりと流して書いております。もっとも読売に限らず日本国内でもあまりこの日米首脳会談は盛り上がっておらず、むしろ前日の日中首脳会談のほうが扱いが大きかったことを考えるとこの読売の扱いも多少はしょうがない気もします。

 では毎日はどんな風かというと、こういうと元も子もありませんが読売と同じくシンプルに報じています。オリジナルティーがある場所はといえばせいぜい、「この会談には岡田克也外相、クリントン国務長官が同席した。」と書いてあるくらいです。あと不思議なことにほとんど読売と同じ内容なのですが、こころなしか毎日の記事は読んでてつまらなく感じます。今に始まったことじゃないけど。

 そして今回私がちょっと不審に感じた産経の記事が、これです。

気まずさ漂う日米首脳会談、鳩山首相は「基地」「対等」一切触れず

 題を見て分かるとおり、他紙が割りと事務的な報道をしているのに対して産経のみが今回の会談をやや否定的に報じております。具体的な内容はリンクを貼った記事を読んでもらえれば分かるのですが、やはり基地移転問題などについて言及がなかったことを問題視し、「忍耐のオバマ政権がいつ態度を硬化させるかはわからない」とまで書く力の入れ込みようです。オバマ政権が忍耐を持っているなんて初めて知ったけど。

 これだけだったら私もあまり気にしなかったのですが、この日米首脳会談の報道とともに出てきたのがこの今日の産経抄です。この産経の社説は読んでもらえれば分かるとおりに、鳩山首相の外交デビューについて、「そんなに甘くないぞ」と言った論調で書かれています。槍玉に挙げられているのはあの「CO2を25%削減目標」で、国内の公約みたいにやれなかったで済まないぞと主張しているのですが、私はというとどうせ他の国、特に欧州諸国もCO2の削減にそれほど熱心じゃないんだから、実際にできなくとも表向きは「やってみようかな」という態度を示しただけでよかったんじゃないかと、それほど問題視しておりません。お金さえ無駄にばら撒かなければね。

 それにしても先の記事と比較しても、産経は鳩山政権がそんなに気に入らないのかとばかりに何か否定的な記事ばかり書いているような気がします。これに限らずロシア外交の記事でもやっかみに近い内容を書いているし、外交を行うにしては政権が出来たばかりで不安だなどと書いていますが、私からすると麻生前首相の外交の方が見ていてずっと危なっかしく思えてなりませんでした。
 少なくとも今回の訪米で鳩山政権は日米同盟に否定的という見方は現地米国で多少は払拭できたので、その点だけはまだ評価してもいいと思います。もっとも東シナ海のガス田問題は桜井よしこ氏の言う通りに中国のペースに乗るのは非常に危険なので、安易に妥協すべきではないというのは私も見ていて思いましたが。

 最後にロシア外交について、なんでもロシア本国においてプーチン首相とメドベージェフ大統領の間に隙間風が漂い、二頭政治に変化が起き始めているという噂を聞きます。今回鳩山首相はメドベージェフ大統領と会談を行いましたが、先の事実の真偽をしっかりと確かめた上で交渉相手をしっかりと選ぶことがこれからロシアとの間では重要になってくるかもしれません。

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