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2010年1月16日土曜日

何故今の若者は指示待ち型なのか

 もしかしたらずっと以前からも同じことが言われ続けているのかもしれませんが、現代の若者はよく上司からの指示を待つだけで自分から率先して動こうとせず、指示待ち型、もしくはあらかじめ手順が決められた行動を欲しがるマニュアル型の人間が多いという言葉をよく聞きます。結論から言うと私はこれらの意見に対し、やっぱり一若者として納得いかない点も少なくなく、そこまで言われる筋合いはないと言い返したい気持ちが強くあります。

 まず率先する行動力がないと言われる点ですが、私の方からするとたとえそれが状況の好転につながることがはっきりわかっているとしても、勝手な行動一つ取ろうものなら上下左右のオールレンジから集中砲火を食らって叱られる、注意されるからそうならざるを得ないというのが実情かと思われます。実際に私も幾度かそういう体験をしておりますが、その際に言われたのは、「今回はたまたまうまくいっただけだ。二度とこんな勝手な真似はするな!」でした。そのくせ、「ちゃんと自分で考えて行動しろ。いちいち指示を待ってるんじゃない!」とも言われるのだから正直たまったものじゃなかったですけど。

 そういった個人的な話は置いといて、では何故今の若者は上の世代から見てそういったマニュアル型の人間が多くなったのかについてこの前考えたのですが、細かい理由はいくつか挙がってくるもののこれという決め手にかける理由がなかなか見つかりませんでした。そこでちょっと発送を転換して逆にマニュアルに沿うことが強く求められている現場や社会性はないのかと考えたら、浮かんできたのが近年増えている中学受験、並びに大学受験でした。

 これなんか私が子供の頃によく言われてた言葉ですが、いい学校に受かっていい大学に行けばいい人生を送れる、だから何も考えず親の言うことにしたがって勉強しろ、と。
 別に私に限らずとも、少なくとも90年代の間はいい大学を卒業すれば大企業に入れるというマニュアル通りの人生をみんな多かれ少なかれ信じていたと思います。もっとも就職氷河期に突入した今では当座の生活をどうするかにみんな目がいっているのか、近年の進学先は実家から通える範囲の地元の大学というのが多いそうですが。

 言ってしまえば、大人がいい大学に行けば大企業に入れるというマニュアルに沿ったライフコースを信じ、子供にそれを歩むことを課していたのではないかと思います。そうして育った子供が大人になったのが現代で、いわばマニュアル型の若者を作っていたのはほかならぬその子供の親こと現代の若者より上の世代なのではないかと考えたわけです。

 昔、「学歴なんて関係ない。東大に行って言ってみたい」というクズなキャッチコピーで宣伝していた予備校がありましたが、就職難の時代ゆえに現代ではある意味でそんな状況に近くなってきた気がします。その一方で大企業に入るためにはやはり学歴は重視される傾向はまだ残っているそうですし、一体何を信じたらいいのかが難しい世の中でもあります。
 折しも今日は大学入試センター試験日でしたが、今の受験生達が社会に出る頃には私も覇気がない奴らだと言ってしまうのかもしれません。

2 件のコメント:

ろっくまん さんのコメント...

思うに、指示待ち新入社員ってのは、上司の甘えじゃないかと。

つまり、指示せんでも動ける新人がほしいという甘えです。

仕事教える手間がいらない新人がほしいだけなんです。

その甘え上司だって、きっと新人のころは今の若者とさほどかわらないものであった思います。

花園祐 さんのコメント...

 記事中にははっきり書きませんでしたけど、私もろっくまんさんの言う通りだと思っています。第一部下に出来ない仕事をやらせて失敗するというのは明らかに上司の責任ですし、良将は弱卒を以って強兵となすともいいますし、もう少しその辺の責任の所在など世の中ははっきり認識するべきだと思います。