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2010年2月22日月曜日

自民党の審議拒否について

小沢氏らの国会招致など申し入れ 衆院議長に野党(産経新聞)

 またも素晴らしく頭痛に悩まされているので、今日も短めの記事を一本書いておきます。
 昨日の長崎県知事選、東京都町田市長選にて自民党の擁立候補が民主党の擁立候補に勝ち、鳩山首相と小沢幹事長の政治資金問題が選挙に影響したものかと各所で大きく報じられています。今回の選挙結果を見て私が感じたのは、一昔前と比べて近年の選挙は政治動向にすぐ反応し、政党支持率などの各世論調査の結果に則した結果が出やすくなったように感じました。

 90年代の選挙では主に地方の農家や土木事業者を自民党ががっちり固めていたのもあって世論調査では圧倒的に低い支持率ながらも議会では自民党が多数派を維持し続けていましたが、2005年の郵政選挙以降は固定支持層というものが瓦解して浮動票と呼ばれる層が増加し、割と政治の動きがストレートに選挙結果に反映するようになったように見えます。
 皮肉にもこの様な形態は二大政党制を90年代から強く主張してきた民主党の理想形であり、前回総選挙ではこの形の選挙に乗ることで民主党は大勝利を得ましたが、その大勝利の直後にもかかわらず今回の地方選挙で敗北したということは次回の参議院選挙も十分にこの様な事態が起こりうるということを示唆しているでしょう。

 逆に野党に転落して一方、全然いいところのなかった自民党は今回の選挙結果で一矢報いる形となり、ようやく反撃の糸口を掴めたと言ってもいいと思います。先月まで前回総選挙後に総裁に就任した谷垣氏ははっきり言って頼りなく、就任直後に趣味のサイクリングでこけて顔を縫ったというどうでもいいことしかニュースにならなかったなど私もあまり評価していなかったのですが、少し前の与謝野馨氏から鳩山首相への「総理は平成の脱税王だ」という代表質問以降は波に乗り、この前あった党首討論でも谷垣氏はなかなかいい質問を見せておりました。

 そして今日、自民党は地方選挙勝利の余勢をかって小沢幹事長の国会招致を条件に予算委員会の審議拒否に入りました。実はこの審議拒否という手段は諸刃の剣となりやすい戦術で、昔ある新聞が書いたように「天の時、地の利、人の和」の三条件が揃わないと効果を発するどころか逆に批判の的となってしまいます。
 一つ一つ説明すると、まず天の時というのは国会で審議の必要な案件がまだ残っていること、地の利というのは他の野党も同調しているか、そして人の和というのは国民は審議拒否を了承するかということです。

 今回の例ですとまず天の時は予算議論の真っ只中ということで当てはまりますが、地の利では他の野党はまだ呼応していないため足りておらず、そして最後の一番肝心な人の和についてですがこれはもう少し様子を見ないといけません。しかし今回谷垣氏が、「今をおいて他はない」と言った通り、直接民意の出る選挙直後にすぐ行動に移したというのはもっともな判断かと思います。またこの審議拒否についてまだマスコミは批判的に報道しておらず、私自身の実感でも国民は小沢幹事長の更なる説明を求めているように見えるので少なくとも大きく批判されることにはならないのではないかと見ております。

 過去に民主党がこの審議拒否をした際には国会を無駄に中断させていると激しい逆批判を受けていましたが、今回の自民党の行動がどう評価されるか、今夏の参議院選挙を占う上で一つの指標になるかと思います。

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