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2010年11月8日月曜日

尖閣ビデオ流出事件について

 多分期待されている方も多いでしょうから、ちょっと日は経ってしまっていますが一応触れとくことにします。

 九月に発生して日中関係を冷めるところまで冷めさせた尖閣諸島沖中国漁船衝突事故について、つい先日にその少し前に国会の委員会にて公開された衝突時の映像がインターネット上のYoutubeにアップされました。この映像の公開者は未だにわかってはいませんが与党民主党としてはこれまで野党に何度も催促されてきたにもかかわらず公開を拒んでいたこともあって今回の流出は痛手となり、早くも流出者に対しては国家公務員法に照らして厳しく対処すると息巻いております。

 実はこの流出したとされる映像についてですが、中国ではYoutubeにアクセスできないために(前は出来たのに……)私はまだ視聴しておりません。ただネット上で視聴した方の意見や友人から話を聞く限りだと、

・中国漁船の方から明らかにぶつかってきた
・実際に公開されている海保の船の傷と衝突箇所が一致する
・衝突時の船の揺れなども確認できる

 といった風に私は伺っています。
 個人的に気になっていたのは、「乗り込んできた海保職員を中国漁船船員が銛で突いてきた」とされる噂なのですが、少なくとも今回流出した映像にはそれは入っていないようです。今回流出したのは国会議員に公開された、民主党の編集を受けての映像で全体からするとごく一部だそうですが、私個人としてはさすがに銛で突いてきたというのはネット上で過熱して出てきた噂に過ぎないんじゃないかと現時点では考えております。

 それで今回の流出について私の感想を述べると、一番気になるというかなんでと思う点は、民主党はどうしてこれまでこの映像を国民に公開しなかったということです。
 少なくとも今回流出した映像で海保の船と漁船が衝突した、それも漁船側からの故意の衝突が伺えるはっきりとした映像で、漁船船員や船長の逮捕の根拠をはっきりと示すものです。私個人としては不当逮捕だと主張していた中国、ならびに日本が正しいのだと思っていた日本の国民に対して公開して然るべき映像だったと思うのですが、民主党はこれまで公開要求を頑なに拒否し続けてきました。

 恐らくこの民主党の姿勢は中国側を刺激しないようにとの配慮からの態度だったと思いますが、今回の流出で後味の悪い結果(民主党にとって)になってしまったのは非常に皮肉です。私は自他共に認める親中派ですが、真に信頼の置ける関係を築くためには譲るところは譲り、譲れないところはたとえ衝突することとなってでも強く主張をすることが一番大事だと考えております。特に中国については、市井においても自分の都合のいいように勝手に話を進める中国人が多いだけに、拒否するところははっきりと強い態度で拒否する必要があります。

 今回の衝突事件についても、船長を起訴せず帰して、ビデオも非公開にしていたにもかかわらず中国は一切日本に対して追撃の手を緩めることはありませんでした。基本的に中国という国は「一歩引けば相手も一歩引いてくれる」という価値観は通用せず、相手に一歩引いてもらいたい時は敢えてこちらが無理やりにでも一歩進もうという素振りを見せるなど牽制で以ってしか引くことはありません。
 そのため今回流出した映像については私は事件が起きた直後にでもすぐに、「こういう理由で日本は船長を逮捕をしたのだ」とはっきり公開するべきだったと考えます。恐らく公開したところで中国の態度は軟化することはなかったでしょうが、極端に硬化することもなかったのではないかと思います。どっちにしろ中国はレアアースの輸出阻止や逆人質など露骨な手段は取ったのだし。

 ただ事件直後に公開していたことで明らかに今の情勢とは変わったこととして、国民の政府への信頼感があります。今回政府は中国側に配慮し、国民の要望を遮ってでも映像の公開を拒否してきました。機微な外交を取り扱う上でこのような態度を起きには取らざるを得ないというのは理解できないでもありませんが、伝え聞く映像の内容を考えるとそこまでして秘匿するほどの映像なのかという気がしてなりません。それであれば船長を帰すやまた謝罪と賠償を中国が請求したすぐ後にでも情報公開の原則に照らして公開しておけば、まだ国民は納得したんじゃないかなぁと思います。今に始まったわけじゃありませんが、一体民主党はどっち向いて政治しているんだと今回の件では強く言いたいです。

 最後にこの映像について中国現地はというと、ちょっとごたごたしていた時期であるので生憎ニュースとか見ていないのであまりわかりません。ただ今日新聞買ってきて読んだ限りだとこの件についての記事は何もないので、恐らく政府側が何らかの規制をかけているんだと思います。

 これから俺、毎日中国のニュース番組とか新聞見ることになるんだろうな……。

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