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2010年12月28日火曜日

中国の外交が強硬化した理由

 中国の正月は二月なのと、新しい仕事に未だ慣れないためにいまいち年末気分で盛り上がれずにいますがそれにもめげずに今日もブログを更新します(つД`)

 さて今年も残りわずかとなってきましたが、今年一年を振り返ってみると中国関係では何よりもあの尖閣諸島沖漁船衝突事故が日本にとって一番大きな事件だったでしょう。いろいろ細かい事件はありましたが小泉政権が終わってから日中は割と波風少なく経済交流が進んできていたのですが、あの衝突事件以降はそれ以前からも徐々に輸出枠は減らされてきていましたが報復としか思えないレアアースの輸出差し止め(実際には他の貨物も止められてたけど)を始めとしていろんなところで無理難題を中国は日本に要求するようになって来ました。

 ただこのような中国の態度は日本に限らず先日のノーベル賞授賞式に平和賞を受賞した劉暁波氏の問題から他国に参加しないようにと斡旋したり、スウェーデンとの通商交渉をひっくり返すなど目に見えて近頃は強気な姿勢を出してきています。さらには同じ漁業の問題だとつい少し前にお隣韓国でも同じような漁船事故が起こって、日本の時同様に例の謝罪と賠償を強く請求しているようです。

 正直に言って漁船衝突事故が起きた際も私は最初は強気なことを言うけれども適当な落とし所で中国も引いて、事を余計に荒立てないようにするだろうと考えていました。しかし予想は見事に外れて中国は最初から最後まで強気な姿勢を崩さずにきたわけですが、どうも去年と比べて今年の中国は外交に対して一切の妥協を示さず我が物顔に振舞うように転換してきたように思えます。もちろんこれまでも十分わがまま放題な国ではありましたが今年はそれに輪をかけたというくらいの変貌振りで、何か内部に変動でもあったのかと疑うくらいでした。

 では一体何故中国の外交が強硬化したのかですが、いくつか考えられる理由がありますがまず第一に考えられるのは今年の十月で上海万博が閉幕したからです。中国は08年の北京オリンピックと今年の上海万博と、ごく近い期間に世界の注目が集まる国際イベントを連続して開催しました。無論中国としてもこれらのイベントは何が何でも成功させたいイベントだっただけに、北京五輪開会式での口パク少女、上海万博テーマソングが岡本真夜氏の曲のパクリだったなどいろいろ騒動はあったものの必死で押さえ込みにかかって何とか大過なく終わらせることが出来ました。
 この二年間は中国にとってまさにそんな慎重にならざるを得ない期間であり、事実私の目からも中国は地のわがままな性格を必死で抑えているなぁと感じる場面が少なからずあったのですが、今回上海万博が終わったことでようやく抑えるものがなくなったというかまた元の性格が出てきたのではないかと考えることが出来ます。そ

 こうした国際イベントの開催という理由ともう一つ、中国共産党内部で権力移動が起きているのではないかという疑いがあります。
 中国共産党は事実上中国政府と言ってかまわないのですがこの内部の権力ルールというのは割合にはっきりしていて、現在胡錦濤氏が務めている総書記職の任期はきっかり十年で、任期が切れるのは2012年なので実質胡錦濤氏の任期は残り二年間です。それだけに早くも胡錦濤政権の次についてはいろいろと慌しい動きがあり、元上海市長でこの前日本に来て天皇に謁見をした習近平氏が事実上ポスト胡錦濤に内定しております。

 元々胡錦濤氏が総書記に就任した際もその前の総書記であった江沢民氏の派閥が内部に多くいるためにあまり胡錦濤氏は好き勝手出来ないだろうと言われていましたが、習近平氏も江沢民派の流れを受ける人物であるために早くも胡錦濤氏が残り少ない任期という足元を見られて発言力が弱まっているのではないかと一部で報じられています。
 こういっては何ですが胡錦濤氏はこれまで日本に対し、あくまで損得勘定の上でしょうが割と好意的に対応してくれていたと私は思います。仮に江沢民時代、もしくは現在の状況で小泉元首相のように菅首相が靖国神社に参拝でも行おうものなら中国は官民揃って物凄い反応を示すでしょうが、小泉氏の参拝時はまだ胡錦濤氏らが中国国内を抑えてくれたおかげかその混乱のレベルもまだ知れていました。

 それだけに今回の漁船衝突事故時も適当なところで落とすだろうと私も踏んだのですが、結果はこのざまでした。江沢民派は元々対日強硬派が多いとの事で、2012年以降はこれまでのように日中がやっていけるかとなると少し雲行きが怪しいです。

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