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2011年2月2日水曜日

中国の歴史参考書に出てくる日本人

 今日は中国の大晦日に当たる日で、先ほどから戦地かと思うくらいあちこちで爆竹の音が鳴り響いております。一応住んでいるのは都市部で規制があるからあまり派手なことは出来ないと中国人らからは聞いてはいるのですが、それでも結構驚くような音が聞こえてきたりして、農村とかだととんでもない量の爆竹を鳴らすそうですから日本人の静かな正月の感覚からすると隔世の感があります。

 すでに私の会社は昨日から正月休みに入っており、昨日はちょっと都市中心部に出かけてバーガーキングで昼食取ったりと優雅に過ごしました。昼食の最中に先日お袋から送ってもらった文芸春秋を読んでいたら隣にいた中国人男女二人組が私を日本人だと思い声をかけてきてしばらく雑談をしましたが、これに限るわけじゃないですが本当に中国語は相手によって通じる通じないがはっきり別れる言語だと感じます。
 その時に話をした相手は私と比較的年も近くしっかりと教育を受けていそうな感じがしてそれほど会話に苦労はしなかったのですが、現在いる会社内だと地方から来ている人もいて、場合によっては私の発音だと全く通じない(聞いてるこっちは多少はわかるが、それでもほとんど聞き取れない)人もおり、特に私は北京で中国語を学んだこともあって南方に属する現在の居住地域だとしょっちゅう、「ごめん、北方語で聞き取り辛い」と言われたりします。こっちに来る前から恐らくこういう事態になるだろうなという気はしてましたが、めげずに南方の発音もしゃべれるようにとまでは行かずとも聞き取れるようになれればとこのところ願ってます。

 そうした個人的な中国事情はさておき、昨日そうやって街中を歩いた際に寄った本屋にて、中国の高校生向け歴史参考書を購入しました。前から中国の歴史教育はどのような内容なのか興味があったのですが、なんかどこいってもおいてある参考書は問題集ばかりで、日本の「日本史 一目でわかる○○解説」見たいな予備校講師が出版しているような項目ごとの解説本をなかなか見つけられずにいたのですが、昨日行った本屋(新華書店)ではうまい具合にさらっとまとめていてくれる解説本を見つけることが出来ました。
 もちろん文芸春秋も読み終わっていない昨日今日で中国語のこの本を読みきることは出来ていないのですが、ちょっと今日紹介がてらにこの参考書に出てくる日本人名だけをちょっと調べて見ました。

 結論を述べるとこの参考書に出てくる日本人名は明治天皇と田中角栄の二人だけでした。明治天皇については明治維新を指導し日本を資本主義、軍事封建的帝国主義の国に変えたと人物だとして、田中角栄については日中国交正常化を実現させた人物で世界とアジアの平和と発展に貢献したと書かれております。
 中国人の明治天皇の評価については以前の陽月秘話の記事でも取り上げましたが、日本人からすれば「神輿の上の人物」であって、ちょっとこの評価は違うんじゃないかなぁとという気はしますが無理もないところで、田中角栄は外交史的には中国にとって出てきてもおかしくはない人物です。逆にこの二人以外でほかに中国が取り上げるべき人物といったら後は昭和天皇とくらいですし、まぁ無難なチョイスなんじゃないかと思います。

 それにしてもこの参考書、教科書は違うのかもしれませんがざらっと見る限りですと日本みたいに昔から現代へ編年体のようにして徐々に教えていくのではなく、なんか時代順序ばらばらでトピックごとに解説がされています。社会主義の発展の順番とか現代の科学技術の進歩、世界情勢の成り立ちなど、出来ることなら歴史の授業風景も直接見て見たいものです。
 あと読んでて気になる点として、西欧人の名前も全部漢字に変えられててなかなか判読し辛いです。折角だからこれも一部紹介すると、

・馬克思=マルクス
・甘地ーガンディー
・猛徳斯鳩=モンテスキュー
・亜力士多徳=アリストテレス
・斯大林=スターリン

 スターリンについては一行目にて、「偉大なマルクス・レーニン主義者」と書かれております。レーニンはスターリンを後継者にしてはならないと遺言していたのを知っての記述なのか編集者に聞いてみたいものです。

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