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2011年3月19日土曜日

日本漫画家、百人一作

 先日、日本の大物漫画家を相撲の番付みたいにランキング分けしてみたら面白いかもと企画してみました。それで早速下準備とばかりにいくつかをピックアップして誰が西の横綱に入ってどこまで十両だろうかなどといくらか思案してみたのですが、いざ実行してみようと思うと功績順に分けるのが非常に難しく、また数が多すぎてとてもやってられないということに気がつきました。
 じゃあこの企画はあきらめるべきなのか、でも着眼点としてはそんなに悪くないかもと思いながらいろいろと下策を練ってみたところ、「そうだ、百人一首なら当たり障りない(゚∀゚)」とひらめき、題して百人一作として有名な漫画家百人をピックアップしてみようと思いつきました。

 そういうわけで早速Wikipediaの「日本の漫画家一覧」ページに載ってある漫画家から、これだと思う人とその代表作をイナバ物置のように百人選んでみました。前もって言っておきますが選択基準はその漫画家の代表作、その他の作品、後進への影響、連載当時の状況などを鑑み、あくまで私の偏見で選んでいるものなので何らかの基準から公平に選んでいるわけではありません。あくまで参考程度に、またもしよければこのデータを下地に漫画家百傑の議論を深めていただければ幸いです。

  <日本漫画家百人一作>
001 青木雄二: ナニワ金融道
002 青山剛昌: 名探偵コナン
003 赤塚不二夫: 天才バカボン
004 秋本治: こちら葛飾区亀有公園前派出所
005 あさりよしとお: 宇宙家族カールビンソン
006 あずまきよひこ: あずまんが大王
007 あだち充: タッチ
008 荒川弘: 鋼の錬金術師
009 荒木飛呂彦: ジョジョの奇妙な冒険
010 安野モヨコ: 働きマン
011 池上遼一(雁屋哲): 男組
012 池田理代子: ベルサイユのばら
013 池野恋: ときめきトゥナイト
014 石川賢: ゲッターロボ
015 石ノ森章太郎: サイボーグ009
016 板垣恵介: グラップラー刃牙
017 稲田浩司(三条陸): DRAGON QUEST -ダイの大冒険-
018 井上雄彦: SLAM DUNK
019 岩明均: 寄生獣
020 植田まさし: コボちゃん
021 臼井儀人: クレヨンしんちゃん
022 うすた京介: セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん
023 楳図かずお: 漂流教室
024 浦沢直樹: MONSTER
025 大友克洋: AKIRA
026 岡野剛(真倉翔): 地獄先生ぬ~べ~
027 奥浩哉: GANTZ
028 尾田栄一郎: ONE PIECE
029 小畑健(大場つぐみ): DEATH NOTE
030 神尾葉子: 花より男子
031 桂正和: ZETMAN
032 かわぐちかいじ: ジパング
033 川崎のぼる(梶原一騎): 巨人の星
034 CLAMP: カードキャプターさくら
035 車田正美: 聖闘士星矢
036 小山ゆう: あずみ
037 さいとう・たかを: ゴルゴ13
038 柴門ふみ: あすなろ白書
039 さくらももこ: ちびまる子ちゃん
040 さとうふみや(天樹征丸): 金田一少年の事件簿
041 里中満智子: 天上の虹
042 しげの秀一: 頭文字D
043 白土三平: カムイ伝
044 士郎正宗: 攻殻機動隊
045 新條まゆ: 快感♥フレーズ
046 高橋和希: 遊☆戯☆王
047 高橋しん: いいひと。
048 高橋ツトム: スカイハイ
049 高橋陽一: キャプテン翼
050 高橋留美子: うる星やつら
051 武内直子: 美少女戦士セーラームーン
052 竹宮惠子: 地球へ…
053 谷口ジロー(関川夏央): 「坊っちゃん」の時代
054 田村由美: BASARA
055 ちばあきお: キャプテン
056 ちばてつや(梶原一騎): あしたのジョー
057 つげ義春: チーコ
058 つのだじろう: 恐怖新聞
059 手塚治虫: ブラック・ジャック
060 寺沢武一: コブラ
061 冨樫義博: レベルE
062 徳弘正也: 狂四郎2030
063 鳥山明: ドラゴンボール
064 永井豪: デビルマン
065 中沢啓治: はだしのゲン
066 西森博之: 天使な小生意気
067 二ノ宮知子: のだめカンタービレ
068 花咲アキラ(雁屋哲): 美味しんぼ
069 原哲夫(武論尊): 北斗の拳
070 ハロルド作石: BECK
071 弘兼憲史: 課長島耕作
072 福本伸行: アカギ ~闇に降り立った天才~
073 藤子不二雄A: 魔太郎がくる!!
074 藤子・F・不二雄: ドラえもん
075 藤島康介: 逮捕しちゃうぞ
076 藤田和日郎: うしおととら
077 古谷実: 行け!稲中卓球部
078 北条司: シティーハンター
079 松本大洋: ピンポン
080 松本零士: 銀河鉄道999
081 漫☆画太郎: 地獄甲子園
082 三浦建太郎: ベルセルク
083 美内すずえ: ガラスの仮面
084 水木しげる: ゲゲゲの鬼太郎
085 水島新司: ドカベン
086 皆川亮二: ARMS
087 宮下あきら: 魁!!男塾
088 村上もとか: JIN-仁-
089 本宮ひろ志: サラリーマン金太郎
090 森田まさのり: ROOKIES
091 モンキー・パンチ: ルパン三世
092 矢口高雄: 釣りキチ三平
093 山上たつひこ: がきデカ
094 山口貴由: シグルイ
095 山田貴敏: Dr.コトー診療所
096 ゆでたまご: キン肉マン
097 横山光輝: 三国志
098 吉崎観音: ケロロ軍曹
099 吉田戦車: 伝染るんです。
100 和月伸宏: るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-
※敬称は省略。括弧内は原作者名。

 私は80年代生まれのジャンプ派なので、やはりこの系統に属する漫画が多くなっております。中には読んだこともなくあらすじしか知らない漫画も含まれていますが、とりあえず有名どころを集めるとしたら私の中ではこんなものです。

 いくつか代表作について解説を行うと、「006 あずまきよひこ」は現在連載中の「よつばと」はイギリスで賞をもらうくらいに非常に優れた作品で当初はこちらを選ぼうかと思っていましたが、最終的に選んだ「あずまんが大王」は現在の日本の4コマ漫画のすべてのベースといってもいいくらいの作品で、この作品なくして昨年ヒットした「けいおん!」は生まれなかったであろうことを考えてこちらにしました。
 「059 手塚治虫」は作品数が膨大であるためにこちらも何にするかで悩んだのですが、「鉄腕アトム」は漫画よりアニメ作品として評価すべきだと考え、「火の鳥」は対象年齢が比較的高いことを考慮して「ブラック・ジャック」にしました。

 「061 冨樫義弘」は普通なら「幽遊白書」か一応今も連載している……はずの「HUNTER×HUNTER」でしょうが、友人が非常に「レベルE」が好きなのと短いながらも完成度が高い点を考慮しました。
 「047 高橋しん」はこちらも普通なら「最終兵器彼女」が挙がってくるでしょうが、あいにく私はこの作品を全部読みましたが何が面白いのかさっぱりわからず、むしろ今回選んだ「いいひと。」は話の展開といい人物描写といい、すばらしい作品だと評価しています。

 最初にピックアップした第一候補は129名で、そこから徐々に減らして百名にまとめました。当初は「新世紀エヴァンゲリオン」の貞元義行氏や「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」の安彦良和氏も入ってましたが、この両名はイラストレーターとしての活躍が多いことからはずし、このほか割と最近の漫画家も多く候補に入れていましたが、後年も作品が読み継がれるかという観点から減らしていきました。

 まとめ終えた後の感想を少し述べると、まず気になったのは高橋姓の漫画家が五人もランクインしたことです。高橋という苗字は漫画家に向いているのだろうか。
 あと評価が非常に難しいと思ったのは実はギャグ漫画で、ギャグというものは流行り廃りが激しくて当時は面白がられても後年はそっぽも向かれなくなるものも少なくなく、ひとまず代表作発表後にギャグのスタンダード変更に一役買ったものを選んでいきました。ガモウひろし氏じゃないけど、ギャグ漫画家が何気に一番苦労するという話を聞くだけに評価の難しさを通してなんとなく理解できたような気がします。

 最後に今回のリストとはあまり関係はないもののほかで独立して話しづらいので書いてしまいますが、「029 小畑健(大場つぐみ):DEATH NOTE」のコンビは現在「バクマン」という、漫画家を目指す二人の少年のストーリー漫画を描いてて好評を得ています。この漫画は私の友人(「ヒカルの碁」大好き)が大人買いするだけあって日本にいた頃は私も面白く読ませてもらっていましたが、一読した後に持った感想として主人公の真城最高と高木秋人、そしてそのライバルの新妻エイジというのは同じジャンプ作家の荒木飛呂彦氏とゆでたまご氏がモデルなのではないかと思いました。ライバル視する構図は逆ですしかなり大昔の話ですが、作中の新妻エイジの奇行振りがどことなく荒木飛呂彦氏と被るような……。

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