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2011年3月9日水曜日

中国の日系飲食チェーン

 たまには友人が喜びそうな中国のミクロな経済ネタでもやろうかと思います。ちなみにこのブログを読んでもらっている友人は何人かいますが、哲学系のネタが好きなのもいれば歴史系のネタが好きなのもおり、どっちかっていうと経済系ネタが好きなのは少ない部類です。

 現在上海はニューヨークを追い越して現在日本人が最も多く住む海外都市となっております。それを反映してか上海市内のあちこちでは日系飲食チェーンも数多く出店しており、値段も相応の店なら極端に高くないことからまるで日本にいるかのように日本食を毎日満喫することすら不可能ではありません。
 そんな現在の中国において最も勢いがある日系飲食チェーンはというと、熊本に本店を構える「味千ラーメン」において衆目一致するでしょう。私は中国人の舌には比較的濃厚な味のとんこつラーメンが合うのではないかと考えていたのですが(実際に中国のインスタントラーメンで日本のラーメンと来たらとんこつ)、この味千ラーメンの味は比較的あっさりしていて、この味で中国に受け入れられたのかと最初食べた際は正直驚きを感じました。それでこの味千ラーメンがどれだけ受け入れられているかについてですが、上海市内に限って言えばそれこそ数百メートルごとに一軒はチェーン店が必ずあるくらいで、冗談抜きでどこいったってすぐに見つけられます。浦東空港にも出店しており、名実共に中国における日本のラーメン屋と来れば味千ラーメンが挙がってくるでしょう。

 このほかに日系飲食チェーンとなると、私自身があまりそういったところに出入りしないのもあるでしょうが今のところは味千ラーメンのように際立ってあちこちに出店している店はまだないと思います。飲食に限らないのであればユニクロの勢いは凄まじいですが、とりあえず私が見たり行ったりしたことのある飲食チェーンを挙げるとすれば、「家族亭」、「サガミ」、「サイゼリヤ」、「吉野家」、「元禄寿司、といったところでしょうか。中にはこういう店を情報誌で細かくチェックして行き渡る留学生もおりますが、生来からのケチさ加減とわざわざ中国来てまで日本食ばかり食べるのもと思って私はあまり出入りしません。むしろ同じ日本食を食べるのであれば中国人が経営している店の方がなんとなく安そうに見えるので、そういったところに行く回数のが多いです。

 先ほど挙げた各店舗についてもう少し詳しく話すと、吉野家は私が北京に留学しているころから北京に出店してきており、当時日本の吉野家では米国のBSE問題で販売されていなかった牛丼が何故か中国では販売されていました。これはいったいどこの肉なんだろう、米国産より中国産の牛使ってる方が怖いと思いつつ口にしました。
 サガミについては先日に友人に紹介を受け、その後自分でも一人で食べに行きました。今度引っ越す先がちょうどこの店の近くになり値段も手ごろだったことからこれから使う機会が増えるかもしれませんが、初めて行った際に頼んだとんかつ定食の味付けがデフォルトでソースではなく味噌だったのにはちょっと面食らいました。後から調べてみたらやっぱり愛知が本店ということで、私はとんかつにはソースも味噌も何もつけずに食べる口なので影響はそんなにありませんが、中国でも名古屋スタイルを貫く姿勢には感服しました。

 最後の家族亭についてですが、実はここには入ったことがありません。ただ最近何かと縁があるというか、この家族亭がどっかへ出店したという記事をちょっとした所用で翻訳したかと思えば、土日に上海に来たうちのお袋を案内していたら家族亭の前をたまたま通り、昔梅田の阪急三番街かなにかにあった店で私の叔母が働いていたという話を聞きました。その際にうちのお袋は、こういった飲食チェーンはもうデフレの日本じゃやってけないからこうして中国にどんどんやってくるのだろうかということを口にしたのですが、なかなかに的を得ている意見で今回この記事を書くきっかけになりました。

 事実現在の日本ではデフレの影響でもはや飲食業はやっていけないというくらいに追い詰められており、従業員の過酷な労働環境はさることながら食品の偽装問題など、何かしら不正というか裏技をしなければ経営なんてほぼ不可能といっていい状況にあります。それに対して中国では為替格差の影響で表面上は売り上げは小さく見えるものの人件費もろもろの経費は安く済み、単純に利益を上げるなら中国、もしくは他の発展途上国に出店した方が儲けは大きくなる可能性があります。もちろん中には溶け込めずに失敗して撤退する飲食店も少なくありませんが、日本にとどまっていたらジリ貧だと考えている飲食店経営者は数多くいるのではないかと思います。

 ただこうした中国の日系飲食店に一つ苦言を呈すと、見ている限りどうも主要顧客層は現地の中国人というよりも駐在や留学で来ている日本人ばかりのような気がします。店に入るとどこも日本語ばかりしか聞こえず、たまに中国語が聞こえるかと思ってよくよく聞き耳を立ててみると台湾人だったりして、現地中国人の顧客はそれほど多くない気がします。従業員はもちろん中国人スタッフですが。
 そういった日本人のみ相手してても恐らく今の上海ならそこそこ元が取れるのでしょうが、何かの拍子に日本人の数が減った場合はどうなるんだろうと他人事ながら多少気になります。そういう意味では現地中国人に受け入れられ昼時は席に着くまで真面目に待たされる味千ラーメンは大したものだといえるのですが、今後日系飲食チェーンは如何に現地顧客を取り込めるかが重要になってくるでしょう。

 ちなみに日本食で言うと自分が先月一番苦心してやまなかったのはぽん酢です。上海市内なら日系スーパーなどで簡単に変えるのですが現住所の近くの店では売っておらず、ぽん酢さえあれば羊肉でしゃぶしゃぶも出来るしうどんなどもゆでて食べられるのにと旧正月の休暇中はやけに恋しくて仕方ありませんでした。私個人的にはぽん酢というのは日本の食品の中で最も優れた調味料だと信じているので、中国でももっと流行ってほしいと心から願っています。逆にマヨネーズはなんか苦手でほぼ一切口にしないですし、ソースもお好み焼きにはかけるけど前述の通りにとんかつには一切かけません。その気は無いですが、自分もやや偏食の気があるのかもしれません。

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