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2011年4月25日月曜日

役員報酬を受け取る時期について

 今更ながらナーガがアメリアの姉だったと今日になって知って驚きました。こんなネタ書いたところで、今時わかる人はいるのだろうか。ついでに書くと昨日電子書籍で漫画(でろでろ七巻)を購入してみましたが、ファイルを全部ダウンロードし終わる前に毎回エラーが起こるので見ることが出来ませんでした。これだから国営企業のインフラは当てにならない。
 ここでいう国営企業のインフラというのは中国のネット回線のことですが、日本が韓国に次いで家庭用ケーブルの通信速度が馬鹿速いという恵まれた環境にあることもありますが、中国の通信速度の遅さには生活していてつくづく辟易させられます。いちおうADSLではあるのですが一回一回検索するごとになにやら検閲をしているようなタイムラグが存在し、中国国内のサイトならともかく海外のサイトにつなげようものならかつてのISDNかそれよりも劣る速度になってしまいます。おかげで今時数メガのファイルを落とすのも難儀するのですが、こういった海外とを結ぶケーブル関係のインフラ工事は全部国営企業が握っていて、国策もあるでしょうがあまり速度向上に熱心じゃないそうです。折角だから日本もこういった中国の弱みを突くような政策とかしたらいいのに。

 話は変わって日本のインフラ企業と来れば、良くも悪くも目下一番注目されているのは東電こと東京電力です。その東京電力ですが、今回の福島原発の事故を受けて先日に役員報酬を50%削減する方針だと発表したところ、各所で「この期に及んでまだ50%も受け取るつもりか」、「状況をわかっているのか」などと批判する言葉を多く見かけます。こうした批判する声について私は、批判内容はもっともだと感じる一方で本当に責任を取らねばならないのは誰なのかという点で、ちょっと疑問に感じるところがあります。ここで言う「本当に責任を取らねばならない人」というのは現社長でも管首相でもなく、以前の東電役員達のことです。

 現在の株式会社方式で役員というのは会社の経営を良くする為に雇われる人たちで、大企業の役員において求められるのは今月や今年といった短期の経営改善ではなく、数年先の長期的展望に立った経営方針や実効策です。それゆえに仮に役員を三年程度勤めた上で経営が悪化したのであれば確かにその役員の責任だと言っても差し支えないですが、就任してから一年程度ではその役員の手腕を評価することはよっぽどのことをしてない限り不可能です。
 比較的これのわかりやすい例と言えるのはこの前のトヨタで、現社長の豊田章男氏が就任するや否や米国でのリコール問題が起こりました。結局この問題はアメリカ側の過剰反応でトヨタ車の性能的問題ではなかったということがすでに証明されていますが、この問題が起こった当初に私の周りでは、「どう考えたって、前社長の渡辺捷昭の責任だろ」と言い合っていました。

 元々このリコール問題は大事になる前からいろいろ細かい事故なりなんなりあり、そうした小さな段階での対処を怠ったがゆえに大事になってしまった事件でした。まぁ早い段階から対処してても例のGという自動車会社のせいで無理だったかもしれませんがそれはこの際置いといて、まさにそのような前段階の時期に社長をやっていたのは渡辺氏でした。ところが大事になったのは豊田氏が社長になったばかりの頃で、いわば前社長の不作為の責任を一身に受ける形で豊田氏がお詫び行脚をする羽目となったわけです。

 今回の東電の事故でも、確かに事故が起きたのは先月三月です。しかしその事故が起こる前に津波対策や、今回の事故に近い不具合を起こしていたのに報告をしてこなかったのは過去の東電役員達で、こういう目で見れば真に責任が重いといえるのはどっちかということになります。
 この手の議論は何も今に始まったわけじゃなく一時期流行ったヘッジファンドの頃もよく言われ、連中が会社乗っ取りをしてやってた以下のような行為についてよく批判がされていました。

1、乗っ取る会社の株式を取得する
2、その会社に役員を送り込む
3、従業員のクビ切ったり資産を売却したりして見かけ上の短期的利益を上げる
4、利益を上げたということにして役員報酬を大量に受け取る
5、やることやったら退職金もらってさよならする、取得した株式も売る
6、ヘッジファンドがいなくなった会社では従業員も資産もなくなり、時間とともに経営が悪化していく

 細かいところまで説明はしませんが、上記のように本来長期的観点に立って経営をしなければならない役員が単年度の評価で報酬を得てしまうことより、目先の利益を求めて逆にその企業の数年後の経営を悪化させてしまう経営を取ってしまうことがあります。実際のところどこの企業の役員も自分が役員している間を平穏無事に乗り切ることばかり考え、退任後まで考えて経営をしている人はそんなに多くないような気がします。中にはそういう立派な経営者もいるだろうけどさ。

 新しく就任した役員が前役員のミスの詰め腹を切らされる例は山一證券最後の社長となった野澤正平氏を始めとして数限りなく、今回の東電の事故でも私は過去の役員らの責任が追及されない点を思うにつけ、そもそもこういった役員の報酬システム自体に問題があるような気がしてなりません。それであるならばいっそ実現性を無視するなら、役員報酬は三年後とか期間を置いたあとのその会社の業績によって算出して支払われるようなシステムにした方が面白いような気がします。

 私は現在の東電役員らに全く責任がないとは言いませんし、役員というのはある程度感情をぶつけられるサンドバッグ的な役割も持っていると思います。ただ信賞必罰の原則を間違えることは後世に悪影響を及ぼすことになり、真に責任を問うべき人間を放って今の役員だけを叩いていては結局はまた同じ間違いを起こすのではないかという懸念があります。こういう風に考えるのって、私くらいなのでしょうか。

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