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2012年4月13日金曜日

中国の雇用慣行

 昨日にあんなこと書いておきながら、北朝鮮のミサイルは今日飛んでしまいました。かっこ悪いことこの上ありませんが、解雇た事には公開してませんしまぁ仕方のないことです。それにしたって北朝鮮は間が悪い。

 話は本題に入りますが割と中国関連の話だと、自分の中では当たり前だと思っている内容でも知り合いの日本人に聞かせてみたら珍しがられる話が多いです。そのためどんな話が求められているのか内心よくわからないところがあるのですが、雇用慣行についてはどの人に話しても受けがいいのでちょっと解説しようかと思います。
 まずいきなり数字から出すと、去年の中国の離職率はある所の調査によると18.9%です。これは言うなれば約5人に一人が退職、もしくは転職をしたということを表しており、多分日本人からしたら相当高い印象を受けるのではないかと思います。もっとも計算方法は一部異なるものの日本の離職率も16.4%(2009年)なので実際にはそれほど差がないのですが、日本だと離職する人間というのは見え辛いというか隠すところがあるからかな。

 話は戻しますが、率はともかくとして中国では転職は頻繁に行われており全く珍しいものではありません。それこそ20代で5社くらい経験している人もいれば一年ごとに会社を変える人もいますし、日本とは違って社会全体で会社を辞めるということにためらいがありません。一体何故これほど転職が多いのかというとまずキャリアアップを目指す人が多い上、男性と比べればそりゃハンデはありますが女性でも出来る人は昇進できることもあり、現状より高い給料を用意してくれるというのであれば明日からでもと言わんばかりに転職に打って出てきます。日本でも最近になってキャリアアップを目指した転職が増えては来ておりますが、それでも中国と比べれば受け皿の面といい、まだまだ未発達と言わざるを得ないでしょう。

 その上で中国、というより日本独特の雇用習慣による違いも大きく影響しております。断言してもいいですが日本の雇用習慣の方こそ世界から見れば珍しく、無期採用が基本となっております。これに対して中国を初めとする世界各国は基本的に有期採用ことあらかじめ雇用期間を労使双方で定めて雇用契約を結ぶのが基本となっており、自分も現在の会社とは去年に1年契約で入社し、今年また更新をして現在も残って働いております。イメージ的にわかりやすいのはプロ野球選手の契約で、毎年のシーズンオフに年棒や契約期間を球団と交渉して決めるように、中国では会社と従業員が雇用契約について個々で話を持ち合います。
 もちろん1年契約を結んだからと言って被雇用者はプロ野球選手みたいに他球団へ自分の意志で移籍できないようにプロテクトされるわけではなく、また雇用主側となる企業側も何が何でも1年間は雇い続けなくてはならないというわけではなく、それぞれの都合によって期間中に転職することもあればリストラすることもあり得ます。私の感覚だとこれら有期契約は、「これから1年間はこの給与額で固定する」というような意味合いの契約で使われているような気がします。そのため契約が終了する時期というのは双方にとって給与額を変更するチャンスでもあり、プロ野球選手同様に「残ってやるからには給与を上げろ」とか、「ミスが多いから来年の基本給は10%減」などという熱い議論が交わされたりします。

 日中双方の雇用契約を体験した自分に言わせると、やはり中国、というより国際式の雇用契約の方が自分には馴染みます。日本にいた頃はそれこそ何をやっても給与額が変わるわけでもないですし、自分なんか仕事の少ない部署にいたものの同期は忙しい部署で働いてて、これで同じ給料をもらうというのはなんだか気が引けるように感じていました。もっとも今いる会社も日系なので、新たに担当する仕事が増えたからと言ってすぐその場で給与額が上がるわけじゃありませんが、契約更新の際に給与額を見直すチャンスがある分、アピールの仕方とかそういうものを常に考えられるので気持ち的にはなんか前向きになれます。
 ただ今年の自分の雇用契約について言うと、去年は新人ながらそこそこ頑張ったし多少胸の張れる功績も挙げられたという自負があったので、ジャイアンツの杉内選手みたいに契約更新時にはちょっと強気に出て、なるべく多くの昇給を勝ち取ろうと意気込んでいたのですが、契約更新月の前に上司に突然呼ばれ、「契約更新前だがお前の給与は上げておいたからな。また頑張ってくれよ」と言われてしまいました。自分も自分で「はい、ありがとうございます(;´∀`)」としか言えず、結局給与交渉に望むことなく自動的に契約更新となってしまいました。昇給額は極端に低かったわけではありませんが目標額は下回っており、感謝はしてますがなんていうか先手を打たれた気持ちでいっぱいです。向こうの方が一枚上手でした。

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