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2012年4月19日木曜日

街と街の間も市街地が続く日本の街

 日本を含めて世界的にそうですが、中国の自動車市場で今一番伸びている車種はSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)です。車に詳しくない方のために説明しておくと、SUVとはでっかくてオフロードを走るような車で、現行車種だとスバルのフォレスターとか三菱のパジェロ、あと日産のジュークみたいな車を指しております。
 中国ではとにもかくにもこのSUVが売れており、ポルシェが出したカイエンという車は全国各地でバカ売れし続けててどこでも見ることが出来ます。何故SUVばかりが売れるのかいくつか理由はありますが、私がにらんでいる一番大きな要因は、中国は上海市内ならまだしもまだ地方では道路がきちんと整備されていないところが多く、普通の乗用車で走るには乗り心地が非常に悪い土地ばかりではないからではないためだと思います。そのため悪路、下手すりゃオフロードでも比較的走行することが出来て、あと見かけもでかい分だけかっこよく見えるから売れてるんじゃないかというのが私の意見です。

 ここで少し話は飛びますが、何気に世界的に見て日本の街の作りはちょっと特殊になっていると常々感じます。一体どこが特殊なのかというと街と街の間も市街地が延々と続く、なんかわけのわからないことを言っているようですがこれは世界的に非常に特殊なので今日はちょっとこの辺を説明します。それにしてもなんだか読んでて舌噛みそうな文章だ。

 話はさかのぼること数年前、私が大学でロシア語の授業を受けていた時に講師が、アルバイトでロシア人のツアーを案内した時のことを話したことがありました。その講師によると、ちょうど大阪から京都の境のトンネルをバスに乗ったまま通り抜けるところで「これから京都に入る」と言って、トンネルを抜けたところで「はい、こっから京都です」と説明したそうです。すると乗っていたロシア人が、「さっきから同じ市街地がずっと続いているじゃないか。まだ街を移っていないのでは?」と質問が飛んだそうです。言われて初めてその講師は、ロシアは街と街の間は本当に道だけで何もな野原や荒れ地が続いているだけで、日本みたいに一部を除いて住宅や店舗が続く場所は見たことがないと気が付いたそうです。

 日本、それも関東や関西では駅と駅の間も市街地が隙間なく開発されているのが割と当たり前で、地方の国道沿いとかでもショッピングモールや住宅があるのはそれほど珍しくはありません。しかしロシアに限らず中国やほかの国ではそれこそ街と街の間は本当に何もなく道だけがずっと続くところも珍しくなく、現に上海ですら近くの蘇州市などに行く途中、列車から眺める限りでは建物とかほとんど見ません。
 じゃあ何故日本は、といっても地方はロシアや中国と同じでしょうがそれはこの際置いといて、これほどまでに隙間なく開発されていったのでしょうか。一つの理由としてはやはり、平地の国土が少なく居住地が限られている中で人口が多かったことが挙がってきます。次にかつて土建国家と言われたくらいに、開発できる場所はとことん開発してしまおうと開発されていったこと。とどめに、鉄道路線の整備が早かった上にどんな場所でも正確に運航できることから通勤圏、居住圏が果てしなく広がっていったということもあるかもしれません。

 とにもかくにも日本にいたら気づきづらいですが、間違いなく日本における市街地の構成は世界的にも珍しいです。今後、日本の人口は縮小していくのは間違いないためにこうした市街地というものは徐々に中心へ向かって狭まる、ドーナツ化現象とは逆の動きが起こることが予想されますが、こうした特殊性を認識しといても損にはならないのでこうして書き残しておきます。

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