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2012年4月2日月曜日

日本のライバル国

 日本人に対して「日本のライバル国は?」と聞いたら恐らく、7割方の人間が韓国か中国の名前を挙げ、残り3割の大半をアメリカと答えるのではないかと思います。なお韓国か中国かといったら多分韓国の方が割合が多い気がします。このような現実を踏まえた上で言うと、私は将来的に真に日本のライバル国となるのは、一つは国ではなく地域ですが香港、もう一つはシンガポールだと考えております。

 久々にこういう突飛な意見というか、見ている人が見たら何をと思われる話ですが、この件に関してはやや真面目に考えております。まず最初に上げた国々がどうして日本のライバルじゃないかという点ですが、韓国については主要産業が電機と自動車ということでうなずける部分もあるのですが、アメリカや中国に関しては人口規模から国土まで日本とは桁違いに大きく、何気にこの前も私がレポートで書きましたが、国土が広いだけあって中国の建機メーカーはまだまだ長きにわたって繁栄を享受することが予想されています。また産業構造というか国の構造もこの二ヶ国は日本と趣が異なっている、具体的に言えば軍事費の支出割合が大きく、こう言ってはなんですがいい意味で棲み分けが出来る相手だと考えています。

 では逆に、どうして香港とシンガポールを日本の将来のライバル国として挙げたのかについて説明します。まず前提から解説すると、日本はともかく香港とシンガポールの二ヶ国(面倒なので香港はこの後も「国」として話を進めます)は互いに相手をはっきりとライバル視ししており、去年も香港の調査では競争相手国としてシンガポールが一位に入っていました。この二ヶ国がどうしてライバル視し合っているかというと単純に産業から構造までが全く一緒で、どちらも移民が多く、国土と人口は少なく、食料は他国からの輸入で賄っており、法人税は少なく、金融とグローバル拠点としての立地の良さを武器に戦っているからです。さらに付け加えるなら、英語が公用語として通用する点も共通しています。
 こうして挙げた要素を日本の現状と比べると、自分で言っておきながらですが明らかに隔たりがあります。まず日本は中国やアメリカと比べると狭いながらも国土は広く(平地は少ないが)、人口も世界でもかなり上位にランクインしています。食料を外国に依存しているという点では共通していますが、英語が公用語なんて遥か遠い世界なくらいにほかの要素はまるで一致してません。

 このように土台が全く違うにもかかわらず何故私がこの二ヶ国をライバル視すするのか、回りくどい言い方になってしまいましたが20年くらい先の日本の持っていき先として、国の構造や産業をこの二ヶ国の現状に近づけさせたいというのが狙いです。何故このような意見を持つのかというと、そもそもの現状として今の日本は政治家も官僚も国民もそろってアメリカや中国に張り合おうとしているところがあります。確かにかつての日本のGDPや経済力は非常に高くてアメリカや中国とも張り合えそうに見えたこともありましたが、張り合おうとした結果、いろんなものを失っているのが今の日本の現状ではないかとも感じます。また中長期的に見るならば、これまた極論かもしれませんが自分は将来の世界では人口が少なければ少ないほど一国として有利になると考えており、現在の少子化対策は必要ではあるものの日本の人口は緩やかに減少させていくべきだとも考えており、中国やアメリカをボクシングのヘビー級としてとらえるなら、もっと体重の軽いフェザー級などへ持っていくべきだという持論をかねてから持っております。

 こうした価値観から将来的な日本の姿のモデルとして今の世界で成功しているのを挙げるととすると、やはり香港とシンガポールかという考え方から勝手なライバル視に繋がりました。
 まずくれぐれも言っておきますが、一から十まで香港とシンガポールのような国に日本はなるべきだとは考えておりません。香港の人口は約700万人、シンガポールは約470万人で日本の十分の一以下であり、人口が少ないがゆえの有利さもありますが日本は国内人口が大きい分だけあって国内市場を持っているという強みがあり、これをわざわざ捨てる必要がありません。ただ将来的な人口減に対応するため、この二ヶ国の取り組みの必要なところ(必要なところ≠良いところ)は日本も取り込んでいくべきで、それこそ移民に関しては今から議論するのも遅すぎるくらいです。

 なんか自分でも考えがまとまっていなかったせいかあまりまとまりのない内容となりましたが、簡潔にまとめるなら「中国やアメリカと張り合おうとせず、香港やシンガポールに近づくように構造を変えるべき」というのが私の意見です。

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