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2013年1月29日火曜日

中国のゲーム機事情

中国当局、ゲーム機の禁止政策を見直し=報道(ロイター)

 なんか気になるというかちょっと一家言あるニュースが昨日出てたので、今日は上のリンク先にあるニュースを軸に中国のゲーム機事情について解説します。
 まず上のニュースの内容ですが簡単に言ってしまうと、2000年から禁止してたゲーム専用機の国内流通を解禁するのではないかという内容です。このニュースに対して私が何を言いたいのかというと、「俺の立場は!?」っていう一言です。というのも私は去年の7月にこの「解禁するのでは?」という記事を書いており、多分日本語媒体ではどこよりも早く報じたつもりです。さらに当時気が進まなかったけどなんか会社が情報提供している関係から電通に対しても記事の内容を細かく説明までさせられました。それが今更こう大きく報じられてもなぁって感じです。

 そんな個人的な愚痴は置いといて中国の事情について説明すると、2000年以前は全く規制がなく日本国内同様にどのゲーム機も流通しておりました。私の友人の上海人などは「プレステかサターンのどちらを買おうか悩んだけど、鉄拳があったからプレステにした」と話しており、日本同様に90年代中盤には次世代機競争があったと証言しております。さらにここ最近で一番ビビった事件として、たまたま知り合った20代前半の中国人の女の子が、「魂斗羅?もちろん知ってるよ、上上下下左右左右でしょコナミコマンドは」とまで言ってのけて、意外に日本のゲームが中国にも深く浸透していたのだと思い知らされました。っていうか今の日本の20代の女の子は魂斗羅なんて知らないだろうけど。

 それほどまでに浸透していた日本のゲーム機ですが、2000年に法令で禁止されてからは表だって国内流通することはなくなりました。一体何故中国政府が禁止措置を取ったのかというと表向きは青少年の精神教育に悪影響が及ぼすと言っておりますが、実態としては国内のソフトウェア産業ことゲームメーカーの技術力が非常に弱く、彼らを育成するために外国製ゲーム機をすべて排除したのです。
 ここら辺は電通に対して説明する際にもかなり細かく解説させられたのですが、仮に当時出たばかりのプレイステーション2やXボックスの流通を国内で認めてしまうと、技術力で中国に勝る日米のゲームメーカーが作ったソフトが大量に出回って中国のゲームメーカーは一切育つことなく淘汰されるのではないかと中国当局は懸念したそうです。そこで文字通り締めだすというか、外国のゲームを入ってこないようにしてその間に国内メーカーを保護しようとしたわけです。

 この辺の発想ですが、偏見かもしれませんが非常に理系的な発想だと思えます。最近は文系卒が増えていますが今の中国当局幹部連中はほぼみんな理系出身で、具体的にどうやって技術力を向上させるとか保護できるか、そういった意見が日本の政治家に比べて非常に鋭いことが多く、このゲームの措置一つとってもそれがうかがえます。
 それはともかくとしてそうやって中国はゲーム機の国内流通は禁止したわけですが、中国で製造して第三国へ輸出する分には昔からOKで、聞くところによると任天堂のWiiとかXボックスは台湾のホンハイことフォックスコンがシンセン市でみんな作っているそうです。あと名目上は国内流通を禁止しているものの、並行輸入こと個人業者などが輸入して販売していることに対しては黙認しており、実際に中国でもPS3とか入手しようと思ったら簡単に買えますし、PS3で遊んでいる中国人もたくさんいてこの前なんか「ガンダムエクストリームバーサスでネット対戦しようよ」とか私も誘われました。

 そんな中国がどうしてまたこのタイミングで解禁しようとしているのかですが、私が読んだ現地報道によると中国のゲームメーカーが力をつけてきたからだと分析しておりました。中国のゲームメーカーが作るゲームというのは基本的にパソコン上で遊ぶゲームが主なのですが、10年以上前と比べれば大分技術力を付けてきて今だったら黒船を迎え撃つことも出来るし、むしろPS3やXボックス360が国内で流通することによってゲーム市場が拡大すれば売り上げ増など恩恵が得られる可能性が高いと当局は踏んでるそうです。これはつまり、保護政策によって力をつけてきたので今こそ打って出るべき的な守りから攻めへの発想の転換です。
 こういってはなんですがその見方は正しいと私も思います。実際に中国製ゲームで遊ぶことはありませんがパッケージデザインやゲーム画面などを見ている限りだと日本のゲームにも負けていませんし、国内にいる中国人好みのゲームを作るという点において優位があることを考えると十分に市場が成り立つように思えます。私としてはあと一言言うと、解禁してくれれば日本製ゲームが中国にも流通して相互理解が進むのではとも思え、まぁ固いこと言わないで早く解禁しておくれってところです。

 最後に私が去年の7月に書いた記事執筆時のはみ出し話をすると、上司に指示されたので日本のゲーム大手のソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)と任天堂にこうした報道にどう思うのか電話をかけて尋ねてみました。まずSCEは広東省に法人を再設立させたということを知っていたから具体的にいつ設立してやっぱり解禁を期待しての動きかとアジア部門に電話を掛けたところ、「担当者がいなくてわかりません」と言われ、いやいや自分とこの部署が海外法人設立した日くらいわかるでしょ、調べなおしてまた電話頂戴と言って切ったらしばらくして、「やっぱりわかりません」と言われてなんなんだこの部署はと呆れました。
 次に任天堂。自分も京都で4年間過ごしてるんだからはっきり言って嫌な予感はしてましたが、広報部につないでって言ってつないでもらって中国のこの報道についてどう思うかと単刀直入に聞いたところ、「すいません担当の者がいないのでまたあとで電話をかけ直します」と返してきたので私の電話番号を伝えたところ、未だに返答の電話がありません。まだ待ってるつもりなんだけど任天堂さんはいつ電話くれるのかな、早くしないと自分も会社からいなくなっちゃうってのに。

 今日は別に酒飲んでるわけじゃないのにやけに跳ね飛んだ文章になってます。晩飯後にドーナツを4個を一気に食べたのが良くなかったのかもしれないなぁ( ´ー`)

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