ページ

2013年11月27日水曜日

特定秘密保護法案を巡るマスコミの対応

 今日は記事更新をさぼってまた副業に精を出そうかと思っていましたが、短くてもいいから書いときたいことが出来たのでそっちを書くことにします。

 さて、みなさんも知っての通りに特定秘密保護法案が昨日、衆議院で可決しました。一夜明けた今日の大手メディアの報道は政府というか安倍首相を批判するものしかなく、肯定的はおろか中立的な報道すら探すのも難しい状態です。はっきり言えばこの議論に関して日本のマスコミの報道は偏向だと言っても過言ではなく、よくもこんな低次元な内容で大騒ぎできるものだなと呆れてきます。この件に限るわけじゃないですが、日本の政治記者は私から見てあまり頭がいい人が多いようには見えません。逆に文化部の記者なんか真面目に尊敬するほど勉強しているなといつも感じますが。

 この件に関する報道でメディアが偏向的だと思えるのは、法案に対して批判しかしないのはもとより野党側の主張ばかり報じるなど明らかに野党の肩を持っている点です。具体的に挙げると一昨日に福島県で開かれたこの法案の公聴会に関する報道ですが、公聴会に参加した地元の人間が質問で、「震災の時にSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)の情報が公開されず現場は大混乱した。この法案が出来ればさらに公開されなくなるのでは」と述べたのですが、この質問をどのメディアも繰り返し何度も放送していました。この質問に対して自民党側は、SPEEDIの情報はそもそも秘密対象の情報ではなく、有事の際には公開すると回答しましたが、当たり前すぎてなんで回答するのかとむしろ私には思いました。

 このSPEEDIの情報ですが、どうもこのメディアの繰り返した報道を真に受けちゃったのか、民主党の近藤昭一議員が同じ質問をどうも安倍首相に聞いてしまったようです。

首相「菅政権が対応誤った」 民主議員の原発事故情報非公表に反論(産経新聞)

 詳しくは記事内容を読んでもらえばわかりますが、近藤議員がさっきの公聴会参加者同様にこの法案が通れば震災時に情報が隠蔽される恐れがあるのではと聞いたところ安倍首相が、そもそもSPEEDIの情報を震災当時に公開せず余計な混乱を招いたのは当時の民主党政権だろうと言い返し、近藤議員もそれ以降は何も言えず「反省とおわびを申し上げたい」と言ったそうです。あんたなにがしたかったんだよなぁ。

 私が言いたいのは、情報の隠蔽体質で言うならば前民主党政権の方が明らかにひどかったということです。先程の震災当時の情報隠蔽はもとより2010年の尖閣諸島沖漁船衝突事件でも海上保安庁が保有する事故当時の映像を国民に公開しなかったりと、呆れた対応ばかりしておりました。なので以前に書いた記事で私は、「特定秘密保護法案関連で民主党は何も発言するな」と言いましたが、私のこの認識は大手メディアの間では持たれていない。それどころか情報を何度も隠蔽してきた人たちが「政府は情報を隠蔽するつもりだ」という発言を何度も放送するありさまです。私が責任者なら、民主党のシーンはカットするか、このような寸評を入れて「馬鹿がまた何か言ってるよ」として報じるのですが。

 ついでに書くと昨日の採決では野党がそろって反対しているにもかかわらず強行採決したなどという発言を載せる記事もありましたが、そもそも野党が諸手を挙げて賛成する法案の方が少ないだろうとツッコんだのは私だけでしょうか。それに上記のとおり民主党はこの議論で発言する余地はなく、共産党はどの法案にも全部反対であること考えると、みんなの党が賛成に回っただけでもむしろ珍しいと評価してもいい気がします。
 あと誰かとは言いませんが今回の法案通過を以って、「民主主義は終わってしまった」なんていう人もいましたが、私からするとこの程度で民主主義が簡単にくたばると考えているようであれば、この人こそ遠回しに民主主義を馬鹿にしているのではないかとみていて腹立ってきました。叩かれてナンボだというのが民主主義だというのにさ。

 最後に前回書いた記事で書きそびれたことを付け加えますが、仮にこの特定秘密保護法がなくても政府というのは様々な情報を隠蔽するでしょう。それこそかつての西山事件の様に、そんな情報は存在すらなかったという風にして。
 そのように考えればこの法案が通ることによって何を非公開にしているのかなど、隠蔽する情報の存在は確実に明らかになっていくと思います。いわば以前より非公開情報の存在ははっきりするのでむしろ前よりオープンになるんじゃないかと私は思え、なのになんでメディアはこんな大騒ぎするのか本当に理解できません。言ってしまえば暴けば金になる特ダネ情報を政府自らリストアップしてくれるようなもんなんだし。こういう風に考える当たり、自分は面倒な性格している気がしてきます。

0 件のコメント: