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2014年2月16日日曜日

花粉症の根本的解決法とは

 自分と同時期に上海で働いていた大学の先輩から先日、「この時期は中国の方が空気がいい」ということを言われました。その心は如何にと問うと、見出しにも掲げているのでわかるでしょうが向こうでは花粉症がないため、花粉症キャリアのその先輩にとって春先にかけては日本よりも中国の方が過ごしやすいとのことです。でもってこれから書く内容をブログに書いてくれというので、このブログを開始した初期にも書いておりますが閲覧者数も増えていることだし、日本の花粉症問題とその根本的解決方法について今日は書いてくことにします。

 まず日本人があまり意識していない事実を述べると、花粉症というのは日本特有の風土病で、少なくとも私が知る限り同じような症状は他国や他地域で一切見られません。それは上記のとおり大気汚染の激しい中国でもそうで、そういう意味では先輩が述べたように花粉症キャリアの方は春は中国に避難するのも案外ありかもしれまん。
 一体何故日本でしか花粉症がないのかというと、以前の記事にも書いておりますが農水省の不作為によって生まれた病気だからです。花粉症の原因は主にスギ花粉ですが、日本では戦後に農水省が主導した植林事業によって全国各地に有り得ない量の杉の木が植樹されました。何故杉がこれほど植樹されたのかというと、空襲などによって荒れた山々を回復させる狙いと共に、杉であれば木材資材として使えるため一挙両得という皮算用でした。

 結果から言うとこの植林事業は大失敗でした。杉の木を植えたはいいけどその後、日本の人件費が上昇したことによって木材価格は輸入品が下回り、国内産の木材は市場で売れ残って行くこととなりました。その上、売れないもんだから次第に杉の木を伐採する人もいなくなり、手入れの為に必要な間伐すら行われなくなったためにむしろ山は荒れていき、百害あって一利ないとはまさにこういう事でしょう。
 なお上記の植林事業を開始する際に事業の説明を受けた昭和天皇は、「針葉樹ばかり植えて広葉樹を無視したら生態系が崩れるのでは?」と疑義を呈したそうです。この昭和天皇の指摘は正しく、近年クマがたくさん人里に下りてくるようになったのは餌となる広葉樹の木の実が減ったことなどにあるのではと私は見ています。

 話は元に戻しますがこうした経緯を経て生まれた花粉症によって、実は日本の製薬会社は非常に儲けています。というのも花粉症は先ほどにも述べた通りに日本の風土病であるため、海外の製薬メーカーは治療薬を持っておらず、事実上日系メーカーが独占して製造・販売している状況に近いです。こちらのサイトによると治療薬やマスクといった花粉症関連商品の市場規模は約1000億円と推計しておりますが、ワンシーズン当たりだと私はもうちょっと大きいんじゃないかと思います。まぁ自分は花粉症キャリアじゃないので、実際どれくらい金かけるかとなるとあんま実感ないが。

 で、こっから本題ですが、毎年花粉症対策にお金をかけることが気に食わないと大学の先輩が言っており、だったら基金を設立して、花粉症の根本的原因である杉の木を片っ端から伐採していく方が有益じゃないかと提案してきました。この先輩の提案は私も以前から提唱し続けており、年間1000億円と言わず数百億円でもそこそこの効果を期待できる規模で伐採は実施できるのではないかと考えています。さすがに一年だけでみんな伐採することは不可能でしょうが、数年かけることによって大幅に花粉量を減らせるのではないかと期待でき、減った後には対策グッズを買わなくて済む上に花粉症による集中力の低下も抑えられて生産性の上昇もあり、さらに伐採後に広葉樹を植えることによって山の生態系も良くなるのではないかと素人考えで思っています。

 と、ここでクエスチョンですが、一体何故こうした伐採を農水省、もとい林野庁はやろうとしないのでしょうか。花粉症の根本的解決にも繋がるし生態系の回復、ひいては山林手入れの雇用対策にもなり得るのに、何故何故とはてなマークでいっぱいです。
 あくまで推論ですが、林野庁は確信犯でやろうとしてないのではないかとみています。だってやってしまうと花粉症治療薬を売っている製薬会社にとっては困るし、なにより林野庁の不作為を認めてしまうことになります。

 ここだけの話、林野庁を含む農水省というのは実は日本の省庁の中でも厚生労働省に次いで問題のある機関であると前から思っており、この花粉症対策でも以前に呆れたことをやってのけてます。

ウソをついてなお言いつくろう林野庁(あつまれ!花粉症の仲間たち)

 ちょうどいい感じにまとめられているサイトがあったので引用しますが、林野庁は2002年から花粉症対策として、花粉を出す雄花の多いスギを選んで間伐するという事業を行っておりました。こうすることによって花粉量を減らせると言っていたのですが、間伐によってむしろ日当たりがよくなって調査地点によっては花粉量が増えたという、惨憺たる結果を生んでくれました。しかも報告書には実際の調査データではなく、自分たちの妄想というか「20~30%も減ったよ!」なんて嘘八百を並べて各自治体に同様の事業を行うよう推進していたとのことで、はっきり言えば救いようのないカスでしょう。しかもそうした偽装がばれたらばれたで開き直って誰も処分しなかったというし。

 これ以外にも農水省はミニマムアクセス米の管理問題でも呆れた対応をしていてこの際だから解体して国土交通省と厚生労働省の下に置いた方がいいと考えています。なもんだから花粉症対策でお国は頼りにならないので、真面目に花粉症キャリアの方は基金でも作って自力で伐採を進めていった方が前向きでしょう。自分がフリーな立場ならそういう基金発足を推進してもいいけど、今忙しいからなぁ。

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