2015年1月10日土曜日

平成史考察~毎日デイリーニューズWaiWai事件(2008年)

 昨年、朝日新聞が従軍慰安婦を巡る報道で誤報があったこと、またその問題を池上彰氏がコラムに取り上げようとしたところ掲載を見合わせたことについて、編集に問題があったと認めた上、責任を取る形で当時の社長などが退任しました。もっとも報告書は変にぼかして「責任を感じての退任・更迭であって謝罪ではない」と、新聞記者にあるまじき妙な表現でぼかされていましたが。
 実はこの一連の朝日の妙な会見を見ながら私は、かつての毎日新聞の事件と比較する記事はいつごろ出てくるかと、他人には一切話さず虎視眈々と他のメディアの記事を眺めていましたがついぞお目にかかることなく年を空けてしまいました。誰もやらないなら自分がやるというのがモットーであるのと、そろそろ書かないと記憶から薄れるという危惧もあるので今日は久々の平成史考察で2008年に問題が発覚した毎日デイリーニューWaiWaiで起きた異常な記事問題とその後の毎日の無様な対応について取り上げます。

毎日デイリーニューズWaiWai問題(Wikipedia)

 覚えている人はまず皆無でしょうが、実は私は2007年に開設したこのブログでこの事件を当時に取り上げています。当時の記事を読み返すとなんか妙に読者へ語りかけるような文体で書かれてるため自分で読んでてイライラしてきますが冒頭にて、

「こうしてみると問題発覚から実に三ヶ月も過ぎております。光陰矢のごとしとは言いますが、あの頃時事問題として取り上げた記事を再検証にて再び使うことになろうとは三ヶ月前には思いもよりませんでした。」

 ということを書いていますが、まさか七年後にこのネタを掘り返す、しかも平成史という現代史ネタとして自らまた取り上げるなんて当時は夢にも思わなかったでしょう。それにしても、自分のブログも結構年季入ってきたな。

 話は本題に入りますが当時の事件を覚えてない人もいるでしょうから簡単に概要を説明すると、毎日新聞社が運営していた英字ウェブサイトにあったコラム「WaiWai」で長期間に渡り、裏付けの取れない性的で低俗な記事が掲載され続けていました。掲載されていた内容は文字に起こすのも嫌になるくらい汚い内容ばかりで興味のある方はウィキペディアのページに行ってみてもらいたいのですが一つだけ引用すると、「日本の女子高生は刺激のためにノーブラ・ノーパンになる」というのもあったようで、私に限らず日本人からしたら何を以ってこんな嘘を堂々と報じるのかと少なくない怒りを覚えるかと思います。

 このWaiWaiの問題の責任を毎日新聞が認めたのは2008年でしたが、実際にはネット上を中心にそれ以前からこのコラムの異常性、問題性を指摘する声は多数出ており、中には直接毎日新聞社に通知や抗議したもののまともな対応らしい対応はなかったとも聞きます。そうした毎日のまるで他人事のような杜撰な対応に関してはウィキペディアのページに詳しく書かれてありここでは省略しますが、敢えてここで私が槍玉に挙げたいのは問題を認めた後に毎日が行った関係者への処分内容です。

 確信犯で事実とは思えない異常な翻訳記事を書いていたライアン・コネルという記者は懲戒解雇されずに休職三ヶ月となりました。何の確認もなくあくまで私の勘ですが、まだこの人は毎日にいるんじゃないかな。
 そしてデジタルメディアを統括していた朝比奈豊常務(当時)は役員報酬の10%返上という処分を受けましたが、処分が発表された2008年6月27日の二日前の6月25日に毎日新聞社の社長に昇進しており、大きな問題を犯したにもかかわらずまともな処分が行われなかったばかりかまるで意に介さないかのような不可解な人事が取られています。そのほかの処分者に関しても大体似たり寄ったりです。なお朝比奈豊は現在TBSの取締役をしている模様です。

 通常、というかまともな会社なら不祥事を起こした当事者とその監督・責任者は更迭か、場合によっては解雇されるのが普通です。しかし毎日は上記の様に更迭どころか全く逆に昇進させており、誤報が許されないメディア企業としてみると理解のできない人事としか言いようがありません。
 なお日系メディアでこの辺の人事に関して最も厳しいのは共同通信だと断言します。誤報や間違った写真を載せた記者は即刻解雇され、それを見抜けなかった編集長も確実に更迭されます。実はそういう経緯で更迭されたばかりの編集長が自分の上司になったことがあったのですが、「なんでこんな立派な人が本人ではなく部下のミスで飛ばさなければいけないんだろう?」と思うくらいしっかりした人だったもので、共同通信は恐ろしいけど確かに凄い所だと畏敬の念を覚えました。それにしても自分も妙な体験多いな。

 話しは戻しますが、変な言い方となるものの上記の毎日の対応と比べるならまだ朝日の対応というか処分はまともだったなという気がします。もっとも朝日に対しても「あくまで謝罪ではない」など妙な言い訳したり、会見では池上氏のコラム不掲載について、「現場の編集長の判断」と説明したところ実際には社長の関与があったなどの点で強い不誠実さを覚えますが、何が問題なのかと言わんばかりの毎日のイカれた対応と比べれば非常にかわいいものです。

 ここだけの話、以前から私は毎日の記事を見ていてガバナンスの欠如というか、メディアとしてまともな会社じゃないという評価をしていました。というのも常軌を逸しているとしか思えない記事が普通に紙面に載っかって来ることが多く、いくつか例を出すとこのページにも紹介されていますが、2012年には満開の桜の写真と共に花見客が多いという記事が載せられましたが、実はこの桜の木は前年に台風で折れており、折れる以前に撮った写真をそのまま流用して存在もしない桜の木を取り上げていました。
 また2005年に起きた「JR羽越本線脱線事故」では、現場関係者や航空・鉄道事故調査委員会が脱線は予想のできない突風によるもので予見は不可能だという意見を出す中、この事件を取り上げた毎日の社説では、「この路線を何度も運転している運転士ならば、風の音を聞き、風の息遣いを感じられたはずだ」と書かれてあり、まるで運転士のミスであるかのように主張しています。風の息遣いを感じられるだなんて、書いた奴はゲームかなんかのやり過ぎじゃないのか。

 どちらの記事も掲載前の編集段階でどうしてストップをかけられなかったのか、載せたらまずいとどうして思えなかったのかが自分には不思議でしょうがありません。そう思えるほどに毎日の編集部はガバナンスがまるで聞いておらず、少なくとも朝日新聞を批判するような立場ではないでしょう。

毎日新聞秋田版がおわび掲載 「テカテカ光った自民県連幹部」問題(産経新聞)

 などという記事を用意していたら、またも毎日がガバナンスが効いていないことを証明するかのようなとんでもない誤報記事を掲載していたというニュースが入ってきました。この記事の文章も下品極まりないし編集は何を見てこんな汚い文章を紙面に載せるのか、もはやレベルが低いとかいう問題ではないでしょう。毎日はバイトにでも記事を書かせているのか、はたまた記者がバイトレベルなのかのどっちかであるというのが私の意見です。

6 件のコメント:

  1. 新聞で何度も社説を書くライターならば、民衆の声を聞き、民衆の息遣いを感じられるのでしょうか?
    ちなみに私は無理だろうと思います。

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    1.  記事中ではさらりと流しているけど、あの毎日の社説にはいかにも上から目線な高慢ちきな態度が感じられて読んでるだけで非常にイライラします。若生さん同様に、「少なくとも世論の息遣いは感じられんのやろな」と私も思いました。
       もし自分が編集長しててこんなコラムを出されたら、問答無用で書いた記者を殴りかかってますよ。

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  2. 記者の人の資質については確かに言及しなければいけないことが多いですよね。僕はその業界の人とは接点はありませんが、花園さんのブログを読む限り、毎日新聞に関しては余りいい人はいないのでしょう。

    花園さんは今は中国ですか?大河ドラマは見てますか?正月からまた新しくはじまった、花燃ゆを観てますが今回は吉田松陰と松下村塾の話で展開されます。因みに主人公は松陰の妹です。なかなかおもしろい設定だなと思い観てますが、前回の官兵衛といい最近の大河はオツな所をついて来るようになったなとつくづく思います。もう有名所はやり切ったのでしょうか。僕としてはうれしい限りですがね。

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    1.  一回、毎日とほかの大手新聞で同じニュースの記事を読み比べてごらん。素人目にも毎日の記事がどれだけ読み辛いかが多分わかると思う。なんせ毎日を購読している人すらそういうこというからね。
       「花燃ゆ」は知ってるが、この設定でどれだけいけるか結構不安視している。この変も含めてメール出したいんだけど、この前サカタさんの昔のアドレスに出したらはじかれちゃったから、もしよければプロフィール欄にある俺のメールアドレス宛てに一回連絡ちょうだい。

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  3. 朝日新聞VS毎日新聞VS読売新聞、キミはどっち派でしょうか?

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    1.  どれも一長一短だからね。少なくとも言えることは大手紙はもっと国際欄を増やすべきで、しょうもないニュースを大袈裟に報じるなと、海外の報道現場にいた俺から忠告したい。

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コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

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