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2016年2月24日水曜日

民主、維新の政党合併について

 既に各所で報じられている通りに民主党と維新の会が明後日にも政党を合併する予定だそうです。両政党はかねてから合併を視野に入れた選挙協力を重ねてきており今回の合併も早くから予想されていたものではありますが、それにしてもこれほど同床異夢というべきか政策案の摺合せなくくっつくというのは色々考えさせられ、これまでの民主党と同じく党として統一した政策意思は今後も期待できないだろうと私は見ています。

 そもそもの話、民主党と維新の会では憲法改正などの面で政策方針に大きな隔たりがあり、のっけから上手くやっていけるのかというと今からでも非常に不安です。では何故政策方針に隔たりがあるにもかかわらず両党は合併に踏み切ったのかというと、言ってしまえば選挙対策が何よりの理由でそれ以外はもはやないと断言してもいいでしょう。
 現行の小選挙区比例代表並立制では小選挙区選挙はまだしも比例代表選挙では政党が多いと互いに票を食い合って小政党ほど立場が弱いです。そのため中小政党同士で選挙区を譲り合王というのがこのところのホットなテーマで、その中には共産党まで入っているというのだから世の中は本当に変わった気がします。当初、民主党は共産党を加えての野党連合をも考えたというか言い出したくらいですから、政策の違いなんてもうどうでもいいという態度が透けて見えます。

 こうした状態でもあることから、恐らく両政党の合併効果というのは全くなく終わってしまうと私は予想しています。橋下前大阪市長がいればまだ違ったでしょうが彼の方はしばらく政治から離れるようですし、そもそも国政進出にミスったこともあって多分フリーな立場を今は謳歌したいのではないかと思えます。なのでちょっと気が早いですが、次の選挙も自民党は安泰で議席数でも大きな変化は起こらないでしょう。

 最後にもう一つ付け加えるとこの前不倫で辞職した宮崎元議員について、あの辞職劇を見てつくづく自民党の派閥は力を失ったなぁと感じました。彼が所属していた派閥の長である二階議員は当初、関係者への謝罪だけで済ませ辞職させる意図はなかったものの党執行部の一喝を受けて庇えなかったと各所で報じられていましたが、恐らくこれは事実だと思います。
 かつての自民党は党執行部以上に派閥の方が実質的に力が強く、派閥が庇えば首相といえどもおいそれと党所属議員の去就を決めることが出来ませんでしたが、現在の安倍首相と菅官房長官のコンビは文字通り党内をびしっと仕切っており官邸の力がかつてと比べると随分増したものだと思えます。

 元々、小選挙区比例代表並立制は金権選挙と派閥政治の打破を目指して導入された選挙制度でしたが、この制度がどれだけ効果があったかは議論の余地があるものの現実に今では執行部が強い権力を保持するに至っております。もっともこれはただ単に菅官房長官がやり手だからというだけかもしれませんが、なんでも文字通りに官僚を「殴って蹴って言うこと聞かす」という人らしいし。

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