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2016年4月26日火曜日

続・三菱自動車の燃費不正事件について

 どうでもいいですが今の職場に言語学の専門家でもないのに、「関西弁のプロ」と呼ばれる人がいます。なんでかっていうとその人にかかれば中国語ですら関西訛りに聞こえてくるほどの本格派で、「あの人が関西弁ならこうだと言ったらこうだ」とみんな納得してます。

当社製車両の燃費試験における不正行為に係わる国土交通省への報告について(三菱自動車)

 さて本題ですが、先日にも取り上げた三菱自動車の燃費不正事件について今日国交省への三菱自動車による報告が行われ、その後の記者会見にて報告内容の説明が行われました。その報告では当初発覚した四車種だけでなく、25年前の1991年から国の規定された「惰行法」ではなく「高速惰行法(と三菱が自称する)」によって一貫して燃費検査の基礎データを測定していたというものでした。この報告を受けてメディアなどでは「燃費不正は25年前から」、「他の車種でも同様の手口」などと大きく書いてはいるものの、私としてはそれほど驚きはなく4/20の段階で既に分かり切っていた内容にしか過ぎないと思っています。

 何故最初に不正発覚した4/20の段階で「ekワゴン(デイズ)」、「ekスペース(デイズルークス)」以外の車種でも燃費不正をしているとわかっていたのかというと、最初の会見後の報道でそういってたからです。

燃費試験、有利な数値提出=測定に規定外の方式も―三菱自(時事通信)

 上のリンク先は4/21(何気にエリザベス女王の誕生日)付けの記事ですがこの中に、

「『ミラージュ』『デリカD5』『アウトランダーPHEV』については正規の方法で測定したと明言するが、米国方式による測定が10車種近くに上る可能性がある。」

 という記述というか三菱側からの発表があり、これは言うなれば「ミラージュ」、「デリカD5」、「アウトランダーPHEV」以外の車種では全部不正をやってると言ってるも同然です。逆を言えばこの三車種に関しては国の規定に則った「惰行法」で抵抗値を測定しているというわけですから、三菱が自称する「高速惰行法」が社内で違法だという認識がなかったとか、違法な検査方法が使われているとは知らなかったというのはまず間違いなく嘘でしょう。今日の会見でもこのような言い訳を使っていた当たり真摯に反省しているとはとても言い難く、この会社が未だに不正をどうにかしてごまかそうという態度が透けて見えます。

 では何故上記三車種に限って正しい検査方法を採用したのか、わかる人なら「アウトランダー」という車種名を見るだけでわかるでしょう。「ミラージュ」は海外工場からの逆輸入車ということが影響しているのではないかと思いますが、「デリカD5」にはクリーンディーゼルエンジンを搭載したモデルがあり、「アウトランダーPHEV」はその名の通りプラグインハイブリッド車であることがその理由だと断言できます。どちらも新開発技術による環境対策車であるため国から補助金が出ている車種なのですが、補助金が得られるだけにその性能検査も厳しく細かいため、それら検査をパスするために黙って従ったのでしょう。まぁ今回の事件を受けて性能表示が正しくても補助金は打ち切られるでしょうし、下手すりゃこれまで支払われてきた補助金も没収されるかもしれませんが。

 それよりもっと怖いのは電気自動車(EV)の「i-MiEV」でしょう。これなんかEVであることから国から多額の補助金が出ていますが、恐らくこの車種でも抵抗値が弄られ燃費が不正されているはずです。EVであることに変わりはありませんが不正は不正で、やはりこちらでも補助金が打ち切られるだけなら幸いですが過去の補助金が没収されるとなると半端ない金額が請求されることになりかねません。
 また最初に燃費不正が発覚した四車種(実際には二車種)に関しては恐らく正しい燃費測定値に切り替えたとしてもエコカー減税の対象区分から外れることがないため、実際には減税差額分費用は発生はしないでしょうがほかの車種となると話は別で、たとえば現行のギャランフォルティスなんか数年前のマイナーチェンジ前はエコカー減税対象車ではなく、今のモデルはギリギリその枠内に入っている車でしたから確実に対象区分から外れると予想されます。なんせ25年も燃費不正をやってきたのですからたくさんの車種で減税差額費用が発生するでしょうし、全部積み上げたらどれだけキャッシュ・フロー傾くのか今からでも財務諸表見てわくわくしたいところです。

 三菱の嘘はまだまだあります。一個一個上げて言ったらほんと切りがないですが、たとえば今の社長は完全な開発畑出身の人で燃費不正について「知らなかった」なんてわけないです。社内からつい最近報告されたばかりだなんて言ってますが、25年前からやっている不正について開発にいた人間が知らないわけないでしょう。
 そしてもう一つ、今日のプレスリリースに「(2)上述の軽自動車以外の当社製車両についても十分な調査が進んでおらず、引き続き調査の上、別途ご報告する。」と書かれてありますが、これも実は嘘で本当は詳細が分かっていながら敢えて発表を引き延ばすための方便に見えます。なんでそんなことするのかというと、最初に発覚した四車種(実は二車種)は燃費不正したからといって販売を現在停止しているわけですが、もし他の車種でも同じ燃費不正をしていたことを素直に認めてしまうと上記四車種への対応をそのまま適用せざるを得ず、そうなるとほぼ全車種の販売と生産を停止せざるを得なくなるからです。そしたら販売店、工場揃って実質的に営業停止になるわけで、そうならないためにも調査した内容を即座にきちんと報告なんかせず敢えて情報を小出しにしてごまかそうとしている、そんな風に私には見えます。

 前の記事でも書きましたが、私は親子二代続いての三菱党です。レースゲームでランエボ(エボ8MRが一番好き)とミラージュ・サイボーグ(ハッチバックの方)ばかり乗り続けるくらい三菱車が大好きでしたが、この会社がここまで救いようのないクズだとは思ってもみませんでした。
 思い起こせば今回の事件には予兆があり、後だしジャンケンっぽい言い方になりますが去年三菱自動車が出したリコールに妙な内容がありました。

デリカD:5、アウトランダー、ギャランフォルティスシリーズ(除くターボ車)のエンジンについて(三菱自動車)

 上記リコール公告は去年9月に出されたものですが、対象車種は約20万台と非常に大規模かつエンジンに関わる重大なリコールであるにもかかわらず、対象車種は平成20年(2008年)前後に集中しています。内容から考えれば市場からの情報であってももっと早く気付いたと思われる欠陥内容で、ちょうどこのすぐ後に日本に帰国した際に親父と、「あれ絶対リコール今まで隠しとったやろ三菱」と言い合って意見が一致しました。ってか親子揃って妙に細かいリコール情報把握しててちょっとおかしい気がしたけど。
 かつてのリコール隠しの一件から三菱は欠陥に対して即座に対応すると言いながら上記のザマで、喉元過ぎれば何とやらかなどと当時言っていましたが、喉元も何も初めから何も反省していなかったというのが実態だったのでしょう。今日の会見内容も見るからに嘘ついていることがわかるだけに、前回記事にも書いた通り来年中には経営破綻してどこかに買収されるだろうというのが私の見方です。

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