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2016年8月26日金曜日

取るに足らない政治家と凄みを覚える政治家

 元政治家の山崎拓氏がこのほど政治家時代を振り返った本を出版したとのことでネットニュースでも出版を期したインタビュー記事が散見されますが、それらを見てつくづくこの人は大した政治家じゃなかったんだなという印象を覚えます。細かい発言は取り上げませんがどの話も軽く、含蓄を備えた深い話というか指摘が全く見当たらず、またいくつかの政治事件に対するコメントも全く見当外れなように思えません。
 同じように話を聞く度に深くがっかりさせられる政治家というか政治関係者として小泉元首相の秘書だった飯島勲氏がおり、在任中は小泉元首相の回答として各方面からの評価は高かったですがいざテレビや雑誌のコメントを見ると見当違いというか見識はずれも甚だしい事しか言っておらず、参考になるような話はついぞ一つも見当たりません。他の人は知りませんが少なくとも私の中で彼への評価は全くないと言っていいでしょう。

 逆に、コメントとかインタビューを見ていてなるほどとため息をつかされた人間を挙げると、既に故人ですが宮澤喜一元首相が上がってきます。ただ彼の場合、言ってることはもっともらしいですがいざ自分が行政にタッチするというか行動する段になるとまるで役に立たず、日米繊維交渉も「私にお任せを!」と名乗り出てやったくせにこじれるだけこじらせて田中角栄元首相が後始末をする羽目となっており、首相や財務相在任中も言うことはもっともらしいですがまるで手は動いていない有様でした。
 往々にしてこの手のタイプの政治家は少なくなく、いわゆる評論家タイプというか時勢の分析や説明に関しては非常に優れているものの実際の行政手腕が伴っていないパターンが多いです。このタイプの政治家の代表例としてもう一人上げると田中真紀子氏なんかまさに典型的で、なんだかんだ言いつつ現況や人間関係の観察はピカイチでそれらをわかりやすい言葉でうまく発言できていましたが、実際に自分が手綱を握る立場になると現場を混乱させるだけ混乱させることしかできず宮澤元首相を含め言ってしまえばはた迷惑な人間でした。

 逆に、凄みを覚えた政治家となると在任中は批判的な目でしか見れませんでしたが野中広務氏です。現在官房長官として菅義偉氏が最年長人気を更新するとともに高く評価されており、彼に在職期間記録を更新された福田康夫元首相も官房長官時代の功績を否定する人間はまずいませんが、自分の中で最も官房長官として優れた能力を持って発揮したのはやはり野中広務氏だったと考えています。
 党内の締め付けはもとより外交から内政までほぼ一手に引き受け、おまけに上にいたのが森喜朗元首相であっただけに余計なトラブルに苛まされながらも政権をきっちり運営維持し続けていました。逆を言えば森政権は実質的に野中政権であり、あまりの問題行動の連発にとうとう切れた野中氏が官房長官職を自ら引くと発言したことによって森政権は崩壊し、はっきりとした後任も準備できなかったことから総裁選となって小泉氏が首相になれたのですが。

 その野中氏とは完全に対立してプライベートでもめっちゃくちゃ仲悪そうな小泉元首相も、この人は田中真紀子氏とは真逆で言ってる内容はめちゃくちゃで全く意味不明だけどやろうとする政治方針は非常にわかりやすく、なおかつその方針をぶれずに押し通し実行に移すという手腕は非常に優れ近年の首相としては明らかに傑出していました。息子の小泉進次郎氏は発言内容と場の盛り上げ方は父親を現時点で上回っており政治方針もぶれがほとんどなくこのまま間違いなく次の次の首相になるかと思われますが、実行力に関してはまだ未知数でもう少し見ていく必要があるでしょう。

 それにしても最近の政治議論で本当につまらないことは、野党も与党も揃って政策論が安倍首相に賛成か反対しかないということです。かつてあった財政健全派と景気先行回復派の議論もなければ沖縄問題に対する意見も割れないし、対立軸があまりにもなくて評論のしようがなくマルクス的に盛り上がりに欠けます。どうでもいいけどこの前サイクリングのメンバーが「日和る(ひよる)」という単語を使ってましたが昔は赤い闘士だったのかもしれません。
 憲法改正議論も一見すると九条を残すか否かが論点に見えますがいくら安倍首相でも九条を改正することなんてできっこないのでそもそも議論なるはずもないテーマで、もっと他のところ突っこめよと言いたくて仕方ありません。この前の都議選もトチ狂ったバカばかりが立候補して何にもまともな政策議論が生まれず、折角血税つぎ込んでいるんだからもっと面白いショーにしやがれこの野郎と一人自宅で吠えてました。

 今後期待している論点というか対立としてはやはり小池百合子新都知事VS東京都議団と森の愉快な仲間たちです。真面目にちょっとつついたら自爆発言繰り返して自滅してくれるんじゃないかと今から期待で胸がわくわくしています。

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