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2017年7月3日月曜日

皆殺しの百合子

 昨日の都議会選挙は小池新党こと「都民ファーストの会(トファー)」が案の定大勝するという結果に終わりました。もっとも選挙前にこの結果は十分予想されており、むしろ予想できなければやばいというレベルなくらいに確実な結果だったので何の驚きもなく、勝因敗因分析とかもあらかじめなされているので私の方からは特にこれといって何か言うことはありません。
 強いて言えば、そもそも都議会選挙は公明党を除けばそこまで重要度の高い選挙戦ではないにもかかわらず、自民党が小池潰しのためにやたらと力を入れ過ぎて準国政選挙並みに注目度や重要度を高めてしまい失敗した感があります。やるんだったら「都議会選挙は都議連に一任してます」と言い切って、安倍首相も応援演説とか一切しなければよかったし、いわんや稲田防衛大臣といったところでしょうか。

 そんなわけでこの都議会選挙についてはブログで書くことはないなと内心思っていたのですが、今日ふと観点を変えてみたところとんでもない事実に気が付きました。その事実というのも、小池百合子都知事と対立した政敵はほぼ例外なく返り討ちに遭い、辞任が引退に追い込まれているという事実です。
 百聞は一見に如かずなので、これまで小池都知事が切り伏せて来た面々は以下の通りです。

小林興起(郵政族議員):。2005年郵政選挙で刺客候補としてきた小池氏に敗北し議員落選。
守屋武昌(防衛事務次官):2007年に小池防衛大臣と刺し違え退官。後に収賄罪で逮捕。
石原伸晃(自民都連会長):2016年都知事選敗北の責任を取り都連会長を辞任。
内田茂(都議会のドン):2017年に小池都知事と対立し都議引退。
下村博文(自民):2017年都知事選敗北の責任を取り都連会長を辞任。
松原仁(民進都連会長):2017年都知事選敗北の責任を取り都連会長を辞任。
川井重勇(都議引退):元都議会議長、2017年都知事選で落選。

 自分が知る限り上記の面々は皆すべて小池都知事と明確に対立し、その結果として役員辞任や議員落選、果てには引退まで追い込まれています。もしかしたらほかにもまだまだいるかもしれませんが、総理総裁や党首の地位ならまだしも都知事クラスでこれほどまで多くの政敵と渡り合い、なおかつすべて斬り伏せてきたいう戦績はどう考えても異常です。
 そもそも小池都知事が全国的に脚光を浴びたのは2005年の郵政選挙で落下傘候補、いわゆる刺客候補として立てられた時からで、そう考えると彼女はこの時から「政界の殺し屋」としてのキャラを確立させていたのかもしれません。なお今回の記事見出しを考えた時は「皆殺しの百合子」のほかに、「殺し屋百合子」「スナイパー・リリー」などの言葉も浮かんでどれにするか少し悩みました。

 個人的に小池都知事の上記抹殺リストの中でとりわけ印象深いのは守屋事務次官との対立です。この時に小池都知事は防衛大臣をしていてその大臣職を辞職する代わりに無理矢理と言っていいくらい強引に守屋事務次官を辞めさせたことから当初は「強引な手法」、「自分勝手」、「ケンカしすぎ」などと批判されていましたが、退官直後に山田洋行事件で守屋元次官が逮捕されるや早めに対処しようとした小池氏の判断、並びに自腹を切る行動は評価され、私としても胆力のある人だと感心させられました。
 なおこの山田洋行事件について平沢勝栄議員が、「この事件で一番わからないのは、(守屋元次官が)嫁と一緒に接待ゴルフに行っていたことだ。ストレス解消どころかストレス溜めるだけだってのに……」と言っていたのが印象深いです。

 私見ですが、小池都知事は政治家としての地力やメディア対応力などそこそこ見られる能力を持っているとは思うものの、一番恐ろしいのは強運とはまた少し異なる、一旦波に乗ったらもう手が付けられなくなるくらいの実力を発揮する点だと思います。野球に例えればヤンキースの田中のマー君みたいなもので、普段もそこそこ実力があるものの、エンジンがかかりだすやもうどうやっても止められないような突破力こそがこの人の最大の武器でしょう。
 そう考えると、前回の都知事選でわざわざ推薦を求めてきたにもかかわらず無碍に扱い敵にしてしまった自民党都連、並びに自民本部はつくづく馬鹿な判断をしたものです。都連が推薦をどうしてもしないとしても本部だけでもパイプ作っておけば全然状況は違ったというのに。

 それにしても小池都知事は残りの政治家人生であと何人を政界から葬るのか、最低でも二桁は乗っけてほしいなと密かに期待しています。

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