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2017年9月12日火曜日

社民党が滅んだから民進党はダメになった?

 いきなり結論からですが、私は今民進党がどんどん弱っている原因を辿れば社民党が滅んだことも大きいのではないかと思っています。

 説明するまでもなく、かつて日本の野党第一党として55年体制(これも死語になってきたな)の一角に位置してきた社会党の系譜を継ぐ社民党はこの10数年、主に党首の指導力不足と元々の思想的問題からどんどんと衰退していき、現在は衆参合わせても5人に達さず単独では党派すら組めない状態で、事実上もうないものとして扱ってもいいくらいな存在です。ではかつて社民党を支持してきた支持層は現在どうしているのかというと、恐らく自民嫌いの支持層も多いことから、旧社会党を含め社民党からの移籍組が多くいる民進党へ支持を変えていると思われ、その民進党自体もこちらは確実にこうした支持層の取り込みに力を入れています。

 しかし、結果的には旧社民党支持層を取り込もうとしたことから民進党も衰退してきているのではというのが私の見方です。

 そもそも今回なぜこう考えたのかというと、かつての民主党と現在の民進党を比較したときにその思想や主張がだいぶ変わってきているように思えたからです。それこそ00年代前半は与党自民党に次ぐ野党第一党が民主党だったという状況について私の中国語の恩師が、「民主も結局右派だから、右派対右派の構図でしかない」と話していました。
 今でこそ民進党はリベラルなことしか言わず主張も理想論ばかりしかありませんが、確かにまだ00年代は、相変わらず自民党議員のどうでもいいスキャンダルや対案を出さないところは今と変わりがないものの、まだ憲法改正や国防について意見が出たり、政府歳出の無駄遣いに切り込んだりと今ほどのリベラルさはなく、右か左かでいえばやはり右でした。

 政府歳出については民主党が与党時代にたくさん無駄遣いをした負い目もあるのかここ数年は全く指摘する声すら耳にしなくなりましたが、まだ00年代は年金問題をはじめ傾聴に値する意見を発したり調査していたりで、評価できる点も少なくありませんでした。しかしここ数年、特に民進党に改組して以降は目も当てられず、主張も極端なリベラルに特化して先ほど挙げた憲法快晴や国防に関しては旧社会党の如く「発言すること自体がタブー」な雰囲気すら感じます。

 何故このように変化を遂げたのかその理由を推測すると、いろいろ複数あるでしょうがその中の大きなものの一つに、社民党の支持層を取り込もうとした、もしくは取り込んだことで思想が極端にリベラルに触れて、本人らも知らず知らずのうちに左旋回してしまったからではないかというのが私の考えです。現在の前原党首で、「言うだけ番長」なのは昔からですがそれでも以前と比べると発言内容が毒も外連味も味もないものに変わっており、政党全体を見回しても10年前とは大きく変わっているような印象を覚えます。まぁ自民党も、「抵抗勢力」が存在しなくなったという点で以前とは変わっていますが民進ほどではありません。

 そうして出た結論というのが見出しに掲げた、社民党が滅んだから民進党はダメになったで、極端なことを言えば支持層を取り込むためウイングを広げた、リベラルに走ったから民進党はダメになったというのが結論です。実際、党是なんてあって無きが如しですし、このままいけば社民党の後を追うことになるでしょう。
 受け皿となるのは維新か国ファーか。仮に石破氏が自民を出てどちらかの政党に移籍するとなったら面白いのですが。

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