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2008年5月11日日曜日

日本語にならない「アンチ・グローバリゼーション」

 今朝のYAHOOニュースにて、「未知の脅威に恐れる洞爺湖サミット」という題のニュースがありました。その内容はというと、最近のサミットにはあれこれ妙な団体が押しかけて妨害してくる、たとえば環境保護団体とか反グローバリゼーション団体とか、ってな感じで。

 ここで出てきた反グローバリゼーション、なんか後半には「反グロ」って妙な略にされていましたが、私はこの言葉がなぜ日本語では一般化しないのかずっと疑問を持っています。
 私がこの言葉、というより今日のお題の「アンチ・グローバリゼーション」という言葉に初めて触れたのは2004年でした。その内容は、2001年にイタリアジェノヴァで行われたサミットの最中、このアンチグローバリゼーションを標榜する団体が抗議活動を起こし、今調べてみるとなんと20万人ものデモが行われたらしくて、私はこの情報に触れたとき、
「日本ではグローバリゼーションは肯定的に言われるが、世界には否定的に唱える集団もあるのか」
 と、素直に驚きました。

 このアンチグローバリゼーション団体の主張はというと、
「経済のグローバル化は発展途上国の発展を妨げ、先進国の利益を増やすだけだ。このような非人道的な行為を許してはならず、国際間の証券、通貨取引などは規制を強めるべきだ」
 という内容です。
 中心となっている団体はフランスの「ATTAC」という団体で、この団体はちょっと前の経済学者トービンが主張した、資本が国境を越える際にそれに税金をかける「トービン税」の実施を主張しています。

 さすがにこれらの細かい内容までは今日は細かく書きませんが、はっきり言ってこのアンチグローバリゼーションを知らないければ文系なら他国の学生に笑われても仕方ないでしょう。実際に私は留学中に他国の学生にあれこれ聞きまわりましたが、みんな知っています。それだけ世界の中で大きな潮流となっているこのアンチグローバリゼーションですが、なぜだか日本では日本語とはなっていませんし、この潮流が報道されることはありません。その理由は単純明快で、現在経済のグローバル化で一番得をして推し進めているアメリカが日本の背後にいるからでしょう。

 現在の私の立場ははっきり言ってアンチグローバリストです。友人のツッチー(二回目だよこの勝手なあだ名が出るのも)とともに紹介したATTACの日本支部に出かけようとしたくらいです。
 この辺の内容もまた先送りですが今度辺りに詳しくやるとして、心ある学生らは是非この辺りを自ら学んでほしいです。これらに関する書籍も数多く出ていますし、学ぼうと思えば無理な話ではありません。何か直接質問があれば、このブログのコメントに書いてくれればいつでも私が答えます。それだけ、この辺の知識は必要とされているのです。

2008年5月10日土曜日

ショップ99に見る、日本社会の構造的問題

 すでにNHKなどでは報道されていたようですが、昨日民放にて本日のお題のショップ99の不法労働問題が報道され、現在各所で話題になっています。

 問題の中身はショップ99で働いていた元店長が、その長時間労働を争点に法廷に訴え出たという経緯です。全体像的には前回にマクドナルドを相手取った元店長の裁判と同じなのですが、今回は現時点で実労働時間が出勤表にきちんと記録され、それが公表されている点が問題のインパクトを強めています。その出勤表によると、この元店長の労働時間は毎日早朝から深夜までの長時間労働で、ひどい時などは休み時間がほとんどなく、四日間フルに徹夜で働くという尋常ではない実態が明らかにされています。しかしマクドナルドの例と同様に、今回もこの元店長は企業側には店長は管理職として扱われ、この長時間に見合う残業代は一切支払われてこなかったというようです。

 この事件に対するネット、及び私の周りの人間の反応はと言うと、どうしてこれほどまでして働いていたのか、どうしてすぐに仕事をやめなかったのかという声が多いのですが、その質問の回答ははすでに記者会見で出ており、訴えた元店長本人によると、この人は就職氷河期世代にあたり、数年間の不安定なフリーター生活を経てようやくつかんだ正社員であったということからなかなかやめる決心がつかなかったというようです。自分の知り合いの親父さんなんかはフリーターの「ふ」の文字を聞いただけで「怠け者めっ!」、と海原雄山ばりに怒り出しますが、実態的には今回の元店長のように、正社員になりたくてもなれないという不幸な若者が多いように思えます。この辺はまた今度書こう。

 さて問題は、前回のマクドナルドといい、どうすればこのような問題が解決できるかだと私は考えております。近年になってようやく、このいわゆる「実体のない管理職+超時間労働」が明らかにされてきましたが、こうした問題が起こっているということは私が知る限り、2002年ごろにはすでに各企業、特に店舗増設が行われてきたコンビニ業界で起こっているとは聞いていました。それがこのところ、もっとも実際にはかなり前からでしょうが外食産業、大手スーパーなどの小売業などの企業にも広がっています。

 それこそ、このような非人道的な労働を強いる企業を単体でどうにかするというだけなら、こうした内部告発から社会的批判にさらし、企業を追い込めばいいだけです。批判をかわすために労働改善を行うか、はたまた結末に企業が潰れても一応は解決されます。
 しかしすでに述べたように各業界でこのような「実体のない管理職」という現実が広がっている中、ただ企業を一つ一つ潰していったところで、結局のところ社会全体で見てほとんど改善は起きません。敢えて分類すると、企業を単体でどうにかするというのは「個別的問題」で、社会全体をどうにかするというのは「構造的問題」という風に分けられます。

 この問題の場合、日本人は辛い労働でも割合我慢してしまうというのが原因だとよく言われます。私が尊敬する水木しげる氏も、「日本人はがんばりすぎてしまうから、国があんな風になっまでも戦争を続けてしまったんだ。怠け者のイタリア人をもっと見習うべきだ」と述べています。実体験者だけに、重みのある言葉です。
 現実に日本は先日のメーデーでもあまり労働争議、ストライキは起こらず、苛酷な労働環境がこれまで以上に報告されているにもかかわらず、めっきり労働者は主張できなくなりました。今回のような問題を解決するために、もっと日本の労働者は嫌なことは嫌だと、過酷な労働をもっとみんなで拒否することも必要でしょう。実際には今回の元店長のように他に正社員の職が見つからないことや、生活を不安定にさせてしまう可能性から非常に難しいですが。

 もう一つ、私から提言する解決方法は、労働監督庁、ひいては法務省の権限と実行力を拡大することです。言ってしまえば、今回のような事件の労働実態は明らかに労働法の規制範囲を逸脱しています。このような逸脱、脱法行為を発見、処罰をもっと厳正に行うことがもっとも単純で必要な解決方法だと思います。しかしこれを本来行う労働監督庁は細かくは知らないのですが、これだけ異常な労働実態があちこちで言われいる割には踏み込んで摘発したという実例をあまり聞きません。ここはひとつ、もっとハッスルしてもらうとか、欧米各国に比べて省庁権限が非常に弱くて閉鎖的といわれる法務省(最近、ここの大臣はマスコット化している)を改革することがもっともよい構造的な解決法だと考えています。

2008年5月8日木曜日

日本語の自人称について

 自人称というのは説明するまでもなく、自分を表す代名詞のことをいいます。日本語だったら「私」や「僕」などで、英語では「I」のことです。

 さてこの自人称ですが、はっきり言って日本語はめちゃくちゃ多いです。中国語なら「我」ひとつだけだし、英語も所有格などは別ですが基本的にはさっき言ったように「I」だけです。ついでにロシア語では英語同様活用が分かれますが「Я(ヤー)」のひとつだけです……ってか、「やー」って入力したらキリル文字が出た事のがびっくりだ。
 しかしこれが日本語となると先ほどの二つのほかに「おいどん」とか「おいら」とか「俺」、「拙者」、「わい」、「わし」などなど、一番レアなので言うと、中国では皇帝のみが使い、日本では天皇のみに使用が許されている「朕」というのまであります。
 多分探せばまだまだいっぱいあると思いますが、こういった量だけでなく使用方法も使い分けられており、公的な場では「僕」か「私」に限定されています。

 さてこのやたら煩雑な日本語の自人称ですが、私はどうも日本の社会を見ていておかしい気がします。そりゃさすがに「俺様」とか言っている人なら私も変な奴だとは思いますが、それこそ方言などで「おいどん」とか「わし」と使うことが一般的な人に対して、「公では私と言いなさい」と言うのは、ちょっと妙な気がします。この「わし」という言葉の中に特別な意味なぞ入っている訳ではないのですし、「わし」を使っている人にとってすればそっちの方が自然なはずなのですし、自分に対して使うだけなら別に誰かに対して失礼でもなんでもないでしょう。

 というのも、つい最近にとうとう私も「俺」を使うなと言われたばかりだからです。別に言った相手は他意はなく、周りのことを考えて私に助言してくれたと思うのですが、別にこういった自人称くらいはみんなで好き勝手な言葉を使ってもいいんじゃないかと正直思います。ちょっと自分でもこだわりすぎなのかとも思いますが、これくらいの要素については日本人ももっと寛容であるべきだと思い、特定の自人称を強制させることに私は反対です。いっちゃなんですが、強制させることのほうが相手に失礼だと思うし。

2008年5月6日火曜日

移民政策について

 なんかネットのニュースを見る限り、自民党が移民受け入れについて議論を始めると発表したようです。それに対して2ちゃんねるをはじめとしたネットの世論は若者の切捨てを始めたなどと、どちらかと言うとこの動きに反対する言論が強いように見えます。

 実は私、四年前辺りからあっちこっちで移民論を周りに吹っかけて回ってました。そのきっかけとなったのはドイツ事情を勉強した際に、そのとき教えてもらっていた先生に、
「ドイツは移民でもめているけど、日本もそろそろ本気で考えなくてはいけない時期に来ている。実施する、しないはともかくとして、議論が全く行われていないというのは非常にまずい」
 と、話を聞いてからです。それからあちこちで聞きまわったりしていると、現状で日本は毎年約200万人は移民を受け入れないと経済を維持できないという数字までているようです。

 そこで私の意見ですが、はっきり言って早く移民を受け入れるべきでしょう。よく移民を受け入れると犯罪が増えるとか何とか言われますが、これはどこかで聞いた意見ですが、外国からの移民をいくら制限しても儲ける所に犯罪者は無理してでもやってくる。それならばまともで優秀な人間をきちんと受け入れるべきだという識者がいましたが、この意見に非常に同感です。
 というのも、私自身それを痛感したことがあります。それは留学中のことで、授業で一緒だった姉後肌のフィリピン人華僑の姉さんが私に、
「私はフィリピンで日本の広告代理店がやってる現地法人に勤めていたんだけど、将来は日本で働きたいけど無理かなぁ?」
「あなたは英語が上手だし、中国語もこのクラスで一番うまい。それにすごい面倒見が良くて賢い人ですけど、日本の企業は日本語が出来なければどんなに優秀でも正社員として雇ってくれません。それがたとえ、日本語しか話せない日本人社員より優秀であっても」
 というように答えたことがあります。聞くところによると、どうも日本は外国人を雇うのに閉鎖的過ぎる気がします。

 こういった背景に加え、ようやく先月に朝日新聞も一面で取り上げてくれましたが、すでに現在の日本の農業を支えているのは中国人の出稼ぎ労働者達です。農繁期に必要な労働力がすでに日本の農村にはなく、すでに各地で中国人の出稼ぎ農民が日本の農家に住み込んで働き、日本の食糧も作っているのです。この現状を見て、移民をすべきでないと言うのははっきり言って狂気の沙汰としか言いようがありません。すでに日本は食糧の輸入だけでなく生産すらも外国人頼みなのです。ちなみに、これら農村の現状についてはNHKはかなり早くから報道しています。

 しかしこの出稼ぎ農民も非常に多くの問題を抱えています。まず各地で設定されている最低賃金が払われていない、というより最低賃金が払えないために払う義務の要らない外国人が雇われています。それでも相手がまだ納得する金額ならともかく、あくどい所では最初に取り決めた賃金すら払わない斡旋業者などが横行し、帰国するにも帰国できない外国人がいるとすら言われます。

 こんなことを続けていればそれこそ日本に対していい感情を持つわけありません。こうした草の根的な思想は確かに小さいですが、積もり積もって将来的に大きな火種となることすらあります。こうした問題を回避するため、必要な労働力を相手もこっちも納得できる手段で集め、そして日本での生活で問題が起きないようにするため、移民についての議論を始めるにはむしろ遅きに失しています。だからこそ、今こうした議論が早急になされる必要があると言うのに、一部でなされている議論は視野が狭いものだと、ちょっと今日は強気に非難しておきます。

2008年5月5日月曜日

靖国神社に中国人を連れて行ったぞ!

 明日にはチンタオさんが来日してくるので、急遽特別企画でこんなのを立ててみました。

 実は以前から、「中国人を靖国神社に連れて行ったら、どんな反応を示すんだろう?」と思っており、昨日たまたま知り合いの中国人ともう一人知り合いの日本人と東京で落ち合ったので、一つ試しに靖国へと連れて行くことにしました。
 最初にその中国人のプロフィールを紹介すると、彼は生まれは香港ですが育ちはずっと上海で、本人も上海人としてアイデンティティを持っています。故あって日本にやってきて日本の大学を卒業して現在に至るのですが、能力的には日本語、中国語、英語をほぼ完璧に使いこなせるくらいに優秀ですが、上海人らしく金のことばかりしか考えません。モデルを用意するなら、「ゲゲゲの鬼太郎」に出てくるねずみ男そっくりで、「なにかいい儲け話ある?」が口癖です。

 それだけ経済的な話題には執着する一方で、政治意識はあまり高くはありません。北京の政府についても特別な感情を持っておらず、最近の私へのメールには「Free Tibet」を毎回語尾に入れてくるくらいです。実際にチベットについても、騒動ばかり起こるのなら独立させてしまえ、とも言っております。
 これはなにも彼だけに限らず、彼に近い上海人一般の考え方だと私は見ています。現在の中国の若者は一人っ子政策がすでに浸透しているので、生まれた頃からある程度裕福なのもあり政治的信条より身の回りの安定を望む、いわゆるノンポリが増えているとも聞きます。

 そんなおもしろ中国人の彼を連れて靖国へ行きました。ちなみにスタート地点は上野からで、そっから歩いていきました。
 まず最初に神社の鳥居を見て、物々しいと言いました。靖国神社の鳥居は朱色に塗られているわけでもなく、無骨なデザインで私も同感です。そして神社の境内へ向かうと、途中の売店で旧日本陸軍の制服を着たおっさんが軍歌をテープで流しながら道端で他の人と話しているのを見て、「面白いねぇこのコスプレ。秋葉原だけじゃないんだ」と言って気に入ってました。実際、面白かったです。

 そして寺社のところまで来ると、これが靖国なのかと再度私に聞いてきました。彼が言うに、もっともA級戦犯を前面にだして崇拝しているようなイメージを持っていたようですが、「こんなのただの神社じゃん」とまで言っていました。さすがに、賽銭投げてお参りまではしませんでしたが。
 そうしてその後は靖国神社に併設されている博物館である「遊就館」を見学しに行きました。この遊秀館の説明を軽くすると、ここは靖国神社が立てた博物館で、中にはゼロ戦やら旧日本陸軍の戦車、野砲などの模型があり、展示コーナーでは幕末から終戦までの歴史をパネルで説明している施設です。このところは中国大使館の職員が他の外交官をしょっちゅうつれてきて、「日本はこのように二次大戦を正当化している」と喧伝し、実際にそれを見たアメリカ大使館に日本はこの前怒られました。

 で、この博物館を見た彼の感想はと言うと、
「正直、日本の歴史がわからないからあまり面白くなかったよ。ただ二次大戦のコーナーで第二次上海事変だけが紹介され、第一次が紹介されてなかったのが不満だった。なにかやましいことでもあるんじゃないかな。それと、なんで神社がこんなの施設を持っているのかがわからない。いっそここは国の施設にして、軍事博物館として売り出すほうがいいんじゃないかな」
 という感想で、実のところ私も同じような感想を持っており、なぜこんな大そうな施設を一神社が所有しているのかは疑問に思っています。一説によると、あまりにも金をかけすぎて靖国神社側も財政が悪化したとすら聞いています。
 あと靖国に封ぜられた一般兵士の遺影を見て、こういうところなんだと感心して、その上で神社にさせずにやっぱり国立追悼者施設を別に作るべきなんじゃないかなぁとも言っています。

 大体がこんな感じです。私の意見はというと、そもそも靖国神社を神道としてみるべきかどうかに私は疑問を感じます。確か戦後のGHQ改革で靖国を国の施設から除外する際に、とりあえず宗教法人として神道にしておくかで決まったと聞いていますから、最初の時点であれこれ問題の火種を作っています。最近はこの靖国の議論があまりされていませんから、ひとまず一中国人の体験談として読者の考える種になれればと思い、ここに報告しておきます。

2008年5月2日金曜日

中国の“反日”じゃなくて“反西洋”について

 いきなり謝罪です。前回、中国のカルフールに対する不買運動について、
「荒っぽい武漢ばかりがニュースで映されているが、北京や上海じゃそんなに大きな問題になっていないんじゃない?」
 と書きましたが、大きくなってました。すいません。
 昨日のNHKニュースでようやく映し出され、それによると北京でも武漢に負けないくらい激しい不買運動が行われ、入り口前では向こうの大学生が「国を愛するなら何も買うな」と大声で周りに不買を呼びかけてました。それに対して上海は「理性を持って愛国を示す」と言って、大学生達は愛国を掲げたシールをカルフール前で配っていました。上海のがやっぱり洗練されてるね。

 そんなこんなの不買問題ですが、この問題について五月三日発売の週刊現代にて秀逸な記事が載っていましたので紹介します。
 この週の週刊現代(どうでもいいですが、時たま「週刊ヒュンダイ」と読んでしまいます)は中国特集をしており、各界のチャイナウォッチャー達がそれぞれ意見を寄せています。記事を寄せた中には評論家の宮崎正弘氏もいますが、この人の書いた「出身地でわかる中国人」という文春新書の本は非常によく出来ており、現在でも参考することが多く重宝しています。中国社会を研究する方には必携です。

 そして肝心の秀逸な記事ですが、それを書いたのは作家の星野博美氏で、この人によると、
「反日など彼ら(中国人)にとってガス抜きに過ぎませんが、本当に怖いのは反西洋になった時で、何が起こるか分かりません」(文中から引用、括弧の中身は私の脚注)

 この記述を見て、正直私ははっとしました。実際にその通りだからです。
 よく日本の番組などでは、「中国の歴史教育は反日を徹底的に子供達に刷り込む」と紹介されることが多いですが、正確には「反外国を徹底的に刷り込む」と言い換えるべきでしょう。
 実際に反日教育はなされていますが、実はそれ以上に反西洋教育が徹底されています。アヘン戦争からイギリス軍による円明園破壊、果てには欧米による租借地割譲などを延々と教え込むらしいです。その教育効果はすさまじく、中国に駐在するイギリス人が以前に、「中国人は未だに円明園のことを持ち出す」と嘆く話を聞いたことがあります。

 よく日本では反日感情ばかりがクローズアップされますが、私自身、中国人は西洋諸国、特にイギリス、フランス、ドイツに対する反感の方が全然強い気がします。それこそ国民の間に一度火がつくものなら、反日暴動以上に北京政府は手がつけられなくなるのではないかとすら思います。

 事実として現在のカルフール不買問題は拡大の一途を辿っています。カルフール側が自体の鎮静化を図るために半額セールを行ったら、「金で中国人の心を買えると思っているのか」と言われ、逆に火に油を注ぐ結果となってしまいました。反日ばかりが目に付くのは仕方がありませんが、こういった方面にも中国を理解するためには気を配る必要があるでしょう。

アナウンサーたちの現況

 私はそんなにテレビっ子と言うわけじゃないのですが、元々あれこれ分析するのが好きなためかテレビ界のネタについても一家言あります。なので今日はその中の、アナウンサー界について話をしようと思います。

 まず言って、現在のテレビアナウンサー界は世代交代が間近でしょう。というのも大物アナウンサーと呼ばれる人達がどれも、いつ引退してもおかしくない年齢にいるからです。
 現在大物アナウンサーと呼ばれる人を片っ端からげていくと、松平定知、草野厚、福留功男、みのもんた、関口弘、徳光和夫と、現在やっている「オジサンズ11」にでてくる常連ばかりです。もっともこの六人は依然と現役で働いていますが、彼らがアナウンサー界で大御所となっていった年齢を考えるとそろそろ世代交代の時期だと思われます。余談ですがみのもんたについては以前に島田伸介が、「あのおっさん、立ったままころっといくで」と言ってましたが、確かにありえそうです。

 それで世代交代なのですが、本来ならばもう少し早く交代が行われてもおかしくはないと思います。挙げた六人はそれこそもう10年近く第一線で働いているので、新陳代謝が本来は起こる時期はとっくに過ぎています。ここが味噌なのですが、なかなか世代交代が起こらないのは恐らく、彼らに続く後継者がいないことが原因と見ています。

 それこそ40代、50代位のアナウンサーで、先ほどの五人と肩を並べる知名度と実力を持っているのはとなるとどのアナウンサーも見劣りしてしまいます。唯一、現時点で彼らと肩を並べられそうなのは、今後アナウンサー界の大御所後継者の最筆頭の「報道ステーション」の古館一郎くらいでしょう。彼以外の名司会者、名アナウンサーで若いのとなるとほとんどいませんし、視聴率も取れないのか看板番組もありません。

 それでも敢えて今後、アナウンサー界を引っ張っていく人材を挙げるなら、まず最筆頭は先に挙げた古館一郎です。すでに引退した久米宏のお株を守ってますし、ひとまず実力も申し分ありません。ただあえて苦言を言うと、報道ステーションを受ける前のスポーツ実況の頃が彼の最盛期だった気がします。
 その次にくるのはTBSの安住紳一郎アナでしょう。実力については問題なく、バラエティですが看板番組をアナウンサーとしては珍しく持っています。今後はニュース番組などにも進出できるかが鍵でしょう。
 そして古館が久米の跡を継いだなら、福留の跡を継いだ日テレの羽鳥慎一アナ。ニュース番組をすでに持っており、最近になってバラエティでもよく見かけるようになりましたが、そっちの方だとやっぱり安住のがうまいからなぁ。
 そして、同じく読売系列だと解説員の辛坊治郎。この人は本当は解説員でアナウンサーではないのですが、司会番組を豊富に持っており、実力メンでは古館一郎にも劣らないと見ています。ポスト古館ならこの人が最有力でしょう。

 これらの意見はあくまで私の私見です。もしかしたらもっと実力あるアナがいるかもしれませんが、私が見る限りはこの四人が今後中心になっていくと思います。もっとも古館はともかく、真ん中の二人はまだ局アナなのでそこら辺がなんとも難しいです。逆に、どちらかがフリーになったら結構楽しみです。あとあと、今日は人名が多く出たから敬称は全部省略しました。