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2024年5月16日木曜日

和風RPGのラスボス

 先日、ふとしたことから「ONI零〜復活〜」という昔のゲームの紹介動画を見ていました。時期的には2000年ごろの作品ですが、当時はこのほかにも「俺の屍を超えて行け」をはじめ昔の日本を舞台にしたRPGがよくあったなと思うと同時に、最近この手の和風RPGが減ってきているような印象があります。ただ単に自分が知らないだけかもしれませんが。

 アクションゲームだったら「ゴーストオブつしま」をはじめむしろ増えているのですが、何故RPGはここにきて和風は減っている、少なくとも印象が落ちてきているのか。一つの理由として挙がるのは日本を舞台にしたRPGならメガテンやペルソナシリーズのように現代が世界観の作品の方が人気が出やすい点があると思います。
 次に、西洋系ファンタジーと違って和風というか時代劇風RPGだと時代考証が面倒というか、日本人相手だと消費者も知識あるだけに、適当な世界観だと「こんなんちげーよ」とか言われる確率が高いから敬遠されるところもあるでしょう。そもそも勝手知ったる自国の古き世界観なだけに、西洋系ファンタジーと違ってエキゾチック感もないし。

 さてそんな和風RPGについてですが、ぶっちゃけ作ろうと思えばドラクエやFFみたいに全く問題なく作ることができるとは思います。RPGでよくある職業も、勇者には貴種流離譚大好きな日本人に向けては「皇室の御落胤」を使えばいいし、戦士には武士、と思いきや「力士」を、盗賊には「やくざ」がぴったり当てはまってきます。
 微妙に悩んだのは僧侶で、ドラクエ風に僧を使うなら普通に「坊主」でいいかもと思ったけど、女僧侶は「尼」になるのかなと思ったところで、「巫女」のが癒される感じがしたので「坊主」の方も「神主」とみせかけて「禰宜」が対応してくると思います。
 そんな僧侶の対となる魔法使いはよくある感じで「陰陽師」が浮かびましたが、よくよく考えると式神使う時点で魔法使いというより召喚士のが近く、だったら魔法使いはさっきの「坊主」でいいやという結論に至りました。となると賢者は「阿闍梨」なのかな。

 こんな感じで職業は割とすぐ日本のメンバーでも組めますが、地味にラスボスが作りづらいなという感じがします。というのも和風RPGのラスボスは化け物系だとほぼ確実に八岐大蛇が使われる、っていうかほかにいなくて選択肢がなかったりします。鬼系のラスボスなら酒呑童子がいますが、こっちもほかにネタないのかよと思うくらい使いまわされているように見えます。

 この点、西洋世界だと倒した相手の民族の宗教における神を悉く悪魔に変えて吸収していったユダヤ教では、サタンやパンデモニウム、ベルゼブブなど威厳もあって外観も派手な化け物というか悪魔がたくさんおり、ラスボスの選定でも逆に迷っちゃうくらいです。
 それに対して島国からあんま宗教間交流のなかった日本神話の古事記においては、前述の八岐大蛇くらいしか化け物はいません。今昔物語を探せば土蜘蛛や鵺とかもいますがこいつらはよくて中ボス程度でしょう。ザコ敵ならたくさんの妖怪がいて困りはしないのですが。この辺の威厳あるラスボス級キャラが和風RPGの障害になっている気がします。

 もっとも、人間タイプの黒幕、魔王的なラスボスなら作れないこともないです。戦国時代を舞台にしたものならほぼ確実に織田信長がラスボスになりやすく、キャラが濃くて知名度もあるだけに使い勝手のいい奴です。逆に秀吉とか家康はこの手のラスボスとして使われるのは見たことない。
 信長以外だと怨霊系として菅原道真もラスボスとまでいかずともボス級として採用されることがありますが、同じ怨霊系のゴッドバインこと後鳥羽院はゲームとかで使われるのを見たことがないです。まぁ皇室キャラで弄っていいのは聖徳太子くらいでしょう。

 密かに使ってみたら面白いかもと思うのは天皇家の簒奪を企てた弓削道鏡がおり、彼なんか工夫次第で魔王っぽく活躍できる気がします。奈良時代を舞台にして、和気清麻呂とその姉ちゃんが主人公となって、聖徳太子が残した伝説の武器とか勾玉使って道鏡に立ち向かう話とか作れば、奈良市も盛り上がってくるでしょう。

 ただ仮に創作の人物も使っていいとなると、和風RPGで最もラスボスに相応しいキャラとなりうる人物として加藤保憲がいるんじゃないかと考えています。これはわかる人には早いですが荒俣宏氏の小説「帝都物語」に出てくる悪役キャラですが、日本陸軍の軍人でありながら陰陽道に通じ、五芒星入りの手袋を常につけるなど存在感が非常に強い人物です。
 キャラ設定だけでも十分濃いですが、映画版では嶋田久作氏がこのキャラを怪演し、原作者の荒俣氏をして「加藤がいる(;゚Д゚)」と言わせたあのビジュアルはすさまじく、そのまま加藤と言わなくてもこのキャラをモデルとしたキャラなら和風RPGでラスボスを務めても全く問題ないと思います。っていうかもっとクローンキャラが出てきてほしいくらい稀有なキャラだと思うのですが、最近見ないなぁそういうの。

2024年5月15日水曜日

シャープの堺工場ごとの液晶事業売却

 昨夜は夜中まで次のロボティア記事を書いていましたが、そのさなかにニュースを見たら大体日本時間で夜11時ごろだったと思いますが、シャープが堺工場を売却するというニュースが出ていました。翌日となる今日には液晶事業丸ごとの売却も計画しているという続報も出て、液晶のシャープに終止符が打たれることとなったわけです。

 何気に、その昨夜書いていたロボティアの記事は東芝のウエスチングハウス買収に絡んだ内容でした。東芝にしろシャープにしろ、たった1件の投資案件でその身を亡ぼす結果となった点で共通しており、あまりの偶然もあってか書き途中の記事の末尾にシャープの液晶投資破綻についても書きこんでしまいました。

 シャープ堺工場についてはもはやあれこれ言及するまでもないですが、真面目にこの工場一つないだけで、シャープは少なくとも鴻海に買収されることはなかったと断言できます。もっとも液晶以降、シャープは何も新しい事業や成長を生み出しておらず、現在は黒字を出してはいる複合機事業も今後は事業が先細ることはほぼ確実なだけに、東芝と違って堺工場がなくてもいずれ会社規模の縮小は避けられなかったとは思いますが。
 ちなみにシャープが次の主力事業として力を入れていたロボホンですが、この前知人との会話で出てきましたが、一応まだ続けているようです。続けるんだったらもうちょい何かアップデートすりゃいいのに、何もてこ入れしていないあたりもうやる気を失っているのでしょう。

 話を戻すと、東芝にしろシャープにしろ何故一度にあんな巨額の投資を行ったのか。投資規模が3分の1くらいであれば全然話は違ったのですが、何気に東芝もシャープも00年代中盤にあのやらかし投資をやらかしている点で共通しています。
 当時は郵政選挙後で景気が一時上昇していた時期です。しかしその後の2008年にリーマンショックが起き、特に家電はその後のエコポイント制度による需要の先食いにより国内市場が大きくゆがんだこともあり、完全に立ち行かなくなりましたが、このリーマンショック直前の好景気感が両社を身の丈を超えた投資に駆り立てた一因であるような気もしないでもないです。でもって両社とも、「無謀すぎる」という批判が当時からなされていただけに、なんかその辺の慎重さを欠いたがゆえに互いに身を滅ぼしたように思います。

 この辺、ソニーなんかは強かに立ち回って現在も強勢を維持しており、日立やパナソニックもそれぞれの生きる道を見つけて大手企業としての地位を保っています。特にパナソニックに関してはプラズマテレビでシャープに敗北してはいるものの、そのプラズマテレビを約10年前にあきらめている点で、シャープよりも経営感覚はしっかりしていたように思えます。
 その上でシャープについていえば、もし仮に堺ではなく中国とかの新興国に最新の巨大工場を作っていたら、なんていうシナリオを考えずにはいられません。投資額はもとより、あの時期に日本国内に大工場を作ったというのがなんか失敗だったように思え、後の祭りですがいろいろ思うものがあります。

 そういえば、堺工場計画が立った時に「話が違う!」と言われた亀山工場のある亀山市とはその後どうなったのかが気になります。パッと調べたところまだ操業しているようだけど、堺工場を売るなら亀山工場も売却することになりそう。

2024年5月12日日曜日

那須2遺体事件の「トクリュウ」こじつけ報道

〈那須2遺体〉犯人は「トクリュウ」でも「チャイニーズマフィア」でもなかった。“主犯”逮捕直前まで誤情報を垂れ流し続けた“コタツ”メディアの罪(集英社オンライン)

 最近読んだ中では最も納得感があったのがこの記事です。

 現在もニュースを騒がせている那須2遺体事件こと上野宝島ロードの経営者夫妻の殺害事件で当初、この事件は流動型犯罪グループの呼称である「トクリュウ」によるものという分析や報道が出されたのですが、蓋を開けてみるとまだ容疑段階とはいえ首謀者は被害者の親族で、また実行犯らも顔見知り同士という古来から実によくある人間関係でした。
 上の記事にもある通り、恐らく川原で死体を燃やそうとした犯行の杜撰さなどからトクリュウではないかと勝手に考えたのでしょうが、お門違いもいいところな分析でしょう。それ以上に呆れるのが、犯人グループの全容がわかり始めた段階においても「今後はトクリュウに対する対策を強めねば……」などと、依然トクリュウにこだわる輩が多く、端的に言って呆れます。

 一体この手の人たちはトクリュウにこじつけようとしたのか。一つは最近できたこの言葉を使って、注目を集めようという狙いがあると思います。いかにも新しい形態の犯罪だというアピールってやつでしょう。
 もう一つは、単純に論理能力がない、または詳細が明らかでない段階で判断してしまう、経営とか絶対やっちゃいけない人間だという点でしょう。番組とか出て意見求められたら何かしら口にしなくちゃいけないとはいえ、さすがにこのトクリュウこじつけはデマをまき散らしているも同然であり、もう少し言い方とか内容はあったんじゃないかと思います。そういう意味ではリンク先のライターの人も言っているように、記者も含め日本の現場人材のレベルダウンが問題なのかもしれません。

2024年5月10日金曜日

戦争で稼ぐ日本の武器商人……っぽいの

 武器商人と言うと、戦争を商売にして戦火拡大の要因となったり、時には争いあう双方に供給して同時に利益をむさぼるなど、ダーティな存在として聞こえます。そのため日本国内では実際に自衛隊に重火器を供与していてもそうした事実をあまり表に出さず、隠したりする企業が多いです。
 まぁ中には、「言うこと機関銃」、「無い方がマシンガン」で有名になった住友重機みたいな会社もありますが。

 そんな日本において戦車、軍艦、戦闘機とオールラインナップを揃え、海外にも輸出しまくっている武器商人が存在します。そう、みんな大好きプラモデルのタミヤで、プラモデルとはいえ日本の武器のラインナップではナンバーワンというか、恐らく世界レベルでもナンバーワンでしょう。

 もちろんこれは冗談的な言い方ですが、タミヤが戦争で儲けているというのはあながち嘘ではないかとも思っています。というのもウクライナ戦争でドイツがレオパルト2という戦車を供与するや、付属のシールをドイツ国旗からウクライナ国旗に変えただけで新発売するなど、うまいこと時流に乗っかって商売しています。まぁ欲しがるユーザーは確実にいるんだけど。
 もっともこうした動きはタミヤに限るわけじゃなりません。ほかのプラモメーカーでも戦闘機のミグ29をウクライナマークで再発売したり、ロシアの戦車にZマークを付けて売ったりなどと、それぞれかつて起こした金型を活用しながらあの手この手で売り込んでいます。でもって今回の戦争で注目を浴びたことをきっかけに、これら兵器のプラモに手を出す人も多いでしょう。

 実際、うちのソ連人民の敵である親父も触発されて、レオパルト2のプラモを買ってたりしました。また私も「博物館に置かれていたT-62が引っ張り出された」と聞いて、安かったのもありT-62のプラモを買って組んでたりしました。
 ただ言い訳をすると、こうした流行に乗っかって兵器のプラモを買って組んだりするのは決して悪いことじゃない、むしろいいことだと思います。仮にウクライナ戦争が起こらなかったらこうした兵器のプラモには一生係わることはなかったかもしれず、そう考えるときっかけ自体はウクライナの国民にとって大きな不幸ではあるものの、知らずに人生を終えるよりかは触れておいたほうがどう考えてもプラスです。むしろこういうちょっとしたきっかけを普段から大事にすることで、知識や体験というのは深まるものだと思います。

 なので、今日またゲパルトのプラモを買ったのも何も悪くないはずです。


 知ってる人には早いですが、このゲパルトというのはラインオフから50年と半世紀以上も過ぎて初めて実戦に投入された対空戦車です。古いこともさることながら、現代の早いミサイルには一切対応できないとしてこのまま歴史の闇にうずもれるかと思いきや、対ドローン対策兵器としてウクライナが供与を要望してドイツから譲られるや、見込み通りにドローンをバンバン撃ち落として半世紀を経て初めて評価されたという、数奇な運命をリアルタイムで辿っている兵器です。
 晩年になって評価されたという意味では黄忠とか伊能忠敬っぽい。

 前からその特異な形状が気になっていたのですが今日タオパオ開いたらお勧めに出てきやがって、どうしようかと迷ったら購入ボタン押してて、しかもタオパオがパスワードなしで注文受け付けるようになっていたせいで、そのまま注文してしまいました。
 注文した際、部屋に組み上げたゲパルトを置いて「すぐそこにゲパルトがある空間なんてすごくいいかも」とか想像しましたが、そんな空間普通ねぇだろとすぐ自分で突っ込み入れました。

 このゲパルトも、ウクライナ戦争がなければきっとその存在を知ることなく自分は人生を終えていたであろうことを考えると、この数奇な出会いに対しいくらか運命めいたものを感じます。ただマジな話、対ドローン対策としてはまさしくもってこいの兵器であり、今後ドローンの活用が増えることを考えると、このゲパルト的な対空戦車の価値もどんどん高まる気がします。そういう意味では今のうちに構造を把握しておくのは無駄ではない、はずです。

2024年5月8日水曜日

千葉のマッドシティ~ダイエー松戸駅西口店(Dマート)

【これは衝撃!】ダイエー松戸西口店内のテナント閉店が相次いでいると思ったら「ダイエー松戸西口店」そのものが閉店する事が判明!!(松戸つうしん)

 先日の記事にも書いた「パノラマサイト」というゲームを松戸のソウルメイトに勧めてみたら何も反応しなかった癖に、こっちのダイエーの記事を送ったら即返信してきました。っていうかお互いもう松戸に住んでない、自分に至っては日本にすらいないのに夜な夜な松戸について語り合い続けることにいくばくかの疑問を感じたりします。

ダイエー松戸西口店(Wikipedia)

 それで話は本題ですが、上の記事の通りに松戸駅西口にある、っていうか結構歩いた距離にあるダイエーがどうやら閉店するとのことです。ダイエーとは言いますが、自分にとってはここは2006年までの屋号である「Dマート」の方がなじみ深いです。自分にとって松戸のダイエーと言ったら新松戸店の方がイメージとして強いし。

 それでこの元Dマートですが、ダイエーが全盛期だった頃の1990年代においては松戸駅近くの商業施設としては一番流行っていたお店であった気がします。近隣の大型商業施設としては、松戸駅東口にヨーカドー、そしてより西口に近いところには伊勢丹(現キテミテマツド)がそれぞれありましたが、客の入りようとしてはこのDマートが一時期一番多かったように見え、一階の生鮮品売り場なんてよく繁盛していました。
 このDマートの特徴としては、ダイエー社のディスカウントショップブランドということもあってとにもかくにも値段が安かったです。基本的に希望小売価格より下げられており、ガンダムのプラモとかもほかの店が定価の500円で売るとしたら470円程度に下げられており、特にこだわりがなければ自分も子供の頃はこのDマートで買ってました。

 ただ00年代に入ってからというものの、自分が当時住んでた流山市にもこの手の商業施設が増えていき、Dマートに行くことも減っていきました。私の足が遠のいていただけかもしれませんが、何となく同時期あたりからDマートにいる人の数が減っていったようにも見えましたが、一番の凋落の理由として思い当たるのは、真向かいにあった松戸シネマサンシャインの閉館だと思います。

松戸サンリオ劇場(Wikipedia)

 何度か名前が変わっているので最後に呼ばれたシネマサンシャインで表記を統一しますが、この映画館はDマートと公園を挟んで真向かいにあり、基本的にここで映画を見た後はDマートで買い物して帰るというのがお決まりでした。ちなみにシネマサンシャインで見た映画としてパッと思い浮かんだのは、

・クリフハンガー
・ロードオブザリング

 今ウィキペディア見て知ったけど、ヤマトタケルの主役は高嶋雅宏氏で、阿部寛氏に藤岡弘氏も出演してたんだな……。

 話を戻すとそのシネマサンシャインは2013年に閉館されました。集客力の高い施設だっただけに、地味にDマートにとってもこの閉館は打撃になったんじゃないかと思います。もっとも先に挙げた商業施設のうち松戸伊勢丹の方が先に2018年に撤退しているので、むしろDマートはよくぞここまで持ちこたえたというべきかもしれません。

 それにしてもこのDマートの跡地ですが、旧わらそう跡地などのほかの土地みたくまた高層マンションが建つのだろうか。ほかの街でも同じことが言えますが、商業施設や店舗がどんどん減っていくのに対し住宅ばかり増えることで、街としてなんか活気を失っていくような気がします。ただでさえ松戸駅周辺はマンションばかり増えているので、敢えてDマート跡地はこの際公園でもいいから住宅以外の用地にした方がいいような気がします。プラモ屋にしてくれたら日本行くたびに通うんだけどな。

2024年5月7日火曜日

一番気になるのはミャンマー情勢

 先日の記事で自分は、これまでアジア情勢は中国が中心だったため中国さえ見ていればある程度全容が見えたが、中国はこのところ不景気で明らかに影響力が落ちる一方、インドネシアなどが飛躍的に伸びてきており状況が変わってきたと述べました。その上で今後アジアはむしろ、中国以外の国がどのように転換していくかを見定めないと情勢がわからなくなるという風に言いましたが、地味に自分が一番気になっているのはインドネシアでもなく、ベトナムでもなく、ミャンマーだったりします。

 ミャンマーについて決して詳しいわけではないのですが、同僚でミャンマーに留学経験ある人がいたり、また傭兵でミャンマーのカレン族側で戦っていた高部正樹氏の本などを読んでかじった程度ですが、内戦というか紛争の多さと長さで言えばアジアでミャンマーがナンバーワンではないかという風に思っています。アフガニスタンを除いて。
 そのミャンマーですが、日本とはあまり関係が深くないこともあって報道されることもあまり多くないと思います。それだけに先の留学経験のある同僚などからも話を聞いたりしていますが、ミャンマーの代名詞ともいうべきスーチーさんについて、

「あの人は反軍事政権を掲げた民主主義者ではあるが、ミャンマーの国粋主義者でもあり、カレン族などの少数民族に対する同情とかは一切なくむしろ叩き潰そうとする側だ」

 という風に語っていました。何となく自分も報道を見る限りだとそういう価値観の人であるように見えるとともに、ミャンマーというのは民族勢力同士の争いが激しく、今後統一国家としてやっていくべきなのだろうか、むしろばらけたままの方がいいのではないかなどとも考えたりします。

 そのミャンマーが何で今気になるのかというと、このところミャンマ国軍の苦戦のニュースをよく見るからです。先日も徴兵逃れを防止しようと国外での勤務を希望する若者へのビザ発給を止めたり、路上で着の身着のまま徴兵したりするなどなりふり構わぬようになる一方、重要な拠点を他の民族勢力によって陥落させられるなど、端的に言えば政権基盤が不安定となってきているようです。
 もちろん現場ではまた違うのかもしれませんが、仮に今後戦闘が激しくなったり、ミャンマーの軍事政権が揺らいだりした場合はタイ、中国と国境を接するだけに、その影響も波及するのではないかという気がします。

 何気にこのところのミャンマー国軍の不振は、中国の不景気も影響しているという声も見ます。中国の不景気を受けこれまで中国と取引していた軍事政権の台所事情が悪くなり、治世も悪化しているという分析で真偽は確かめられませんが、こうした影響の波及というのは陸続きの国だとやはり大きくなるようにも見えます。それだけにミャンマーの戦闘が今後どうなるかはあながち対岸の火でもないように思え、こうして気になっている次第です。

 逆にというかパレスチナの戦闘には関わりたくないため、あっちはなるべく対岸の火として扱うのが日本の国益的に正解である気がします。岸田総理もその辺わかっているのか、変にしゃしゃり出ずあまり言及していないように見えますが、意図的な態度でしょう。

2024年5月6日月曜日

入社後すぐ退職する若者を見て

 発売から約1年を経たパラノマサイトというアドベンチャーゲームを昨夜クリアしましたが、前評判に違わない素晴らしいアドベンチャーゲームでした。ここ数年遊んだ中でばぶっちぎりの面白さで、ほかの人も書いているように黒鈴ミヲという如何にもエコエコアザラクとかに出てきそうな名前のキャラがぽっちゃり系でかわいく、且つここぞという場面で空条承太郎並みに頼れる存在というのがすごかったです。
 このゲームに関してはたくさんよそでもレビューされているので取り立てて書くことはないのですが、一言だけ言えば、高校生キャラがセーラー服を着ているのがかえって新鮮でした。最近はブレザー制服のところが多いのと、なんか依然と比べ薄い色の制服が増えているように見え、セーラー服の濃紺が背景の上ですごい際立っているような印象を受けました。何となく、現代日本のファッションは色が薄くなってきている気がします

 話を本題にもっていきますが、GWに入る直前の先週まで退職代行屋で注文がひっきりなしに来るというニュースがよく出ていました。恐らくGW明けにはさらに増えると思いますが、最近ではこうした代行屋が「リピート割り」を設けるくらい繁盛するなど、入社してすぐに早期退職する若者が増えているようです。
 まぁここで早期退職という言葉を使うべきか、若干違和感を覚えますが。

 こうした若者の早期退職を見て私が思ったこととしては、「最近は若者も賢くなったもんだ」という感想でした。私自身も中国に流れるくらい就職に苦労したというのもありますが、基本的に日本の雇用、特に就活環境は企業側、求職者側の双方にとって誰も得しないおかしな慣習がまかり通ってて、お互い損しあっているような状況だとかねてから見ています。

 早期退職を決断した若者の動機についていくつかニュースで見ましたが、当初約束していた待遇でなかったというほか、希望する部署に配属されなかったといういわゆる「配属ガチャ」を口にする人も少なくないようです。
 好きな仕事を選べないからやめるというと若干贅沢なようにも見えますが、私自身は希望部署に配属されなかった時点ですぐやめる決断するのは正しい気がします。やはり日系企業においては部署によって仕事内容が大きく異なり、メーカーでも開発部門と品質部門では大きく違うし、同様に文系でも企画部門と営業部門では全然異なり、その後のキャリアアップも大きく変わってきます。

 そもそも入社前の面接時点で特定の職種に関して募集する、職種別採用をしていない時点でおかしいのでしょう。また先ほどの待遇にも係わってきますが、日系企業は採用において情報を出し惜しみする傾向が強く、きちんと説明しないから入社した人間が「話が違う」と感じるのも当然と言え、はっきり言えば企業側の説明努力不足がこのようなミスマッチを生んでいる主原因だと考えています。
 この点、中国の場合は職種別採用がはっきりしていてその辺のミスマッチは少ないです。

 それこそ就職氷河期であれば望まぬ部門であろうともほかに雇用先がないため我慢して働く人も多かったでしょう。またそれ以前の時代であれば、マジで不祥事とか起こしても会社は雇用者を雇い続けて社員を守る意識も高くありましたが、失われた十年でそうした社員を守ろうとする企業倫理は日系企業からはなくなり、社員が忠誠を尽くしたところで今の時代に会社から返ってくるものはありません。そんな時代背景において、会社のいいように労働者がホイホイいうことを聞くと思ったら大間違いでしょう。
 そうした視点で見ると、若年労働者側は意識を改めつつあるのに対し、日系企業側がその辺の意識を改革できずにいるのが今の状況じゃないかと思います。

 ついでに書くと、ほかに同じこと言っている人はいませんが大体2021年ごろから、ブラック企業という単語の出るニュースをほぼほぼ見なくなりました。やはりコロナの影響、特に時短営業やリモートワークの普及を受けて、勤務時間が膨大なブラック企業は営業が成り立たなくなり、この数年でかなり減ってきているのではないかと思います。
 雇用状況的にも現在人手不足な状態が続いているだけに、このままのペースが続いたらブラック企業はますます減って、日本の労働環境はどんどん良くなっていく気すらします。もっとも関係機関においては手を抜かず、ブラック企業の撲滅摘発に今後も力を入れ続けるべきでしょうが。